はじめに
徳島県知事として県政運営の舵取りを担う後藤田正純氏。国会議員から転身し、「現場に近い政治」を実践するために知事職に就いた異色の政治家です。
叔祖父に元内閣官房長官の後藤田正晴氏を持つ政治家一家の出身でありながら、三菱商事での実務経験も積んだ実務型政治家として注目されています。
この記事では、後藤田正純知事の経歴から政策、知事としての取り組みまで詳しく紹介します。
基本プロフィールと来歴
基本情報
名前：後藤田正純（ごとうだ まさずみ）
生年月日：1969年8月5日（55歳）
出身地：東京都多摩市生まれ
現住所：徳島県阿南市見能林町
党派：自由民主党所属
学歴と三菱商事時代
1988年に筑波大学附属駒場中学校・高等学校を卒業して、一浪し慶應義塾大学商学部に入学しました。大学時代は村田昭治のマーケティングのゼミに所属し、学業と並行して政治の世界にも関心を持ち続けました。
1993年に慶應義塾大学商学部卒業後、三菱商事に入社し、鉄鋼などに携わった。1998年、三菱商事を退職。商社時代は実務を通じて企業経営や国際的なビジネスの知見を深めました。
政治への道のり
大叔父の後藤田正晴や社会党の衆議院議員であった井上普方などが親せきにいたため、幼時から政治に関心を持ちました。小学校6年生のときの卒業文集に、政治家になりたいと書きました。将来、政治家になることを考え、大叔父・後藤田正晴の秘書として選挙を手伝うなど、早くから政治の現場に触れていました。
政治家としてのキャリア：議員時代の役職と功績
後藤田正純氏の実績についての記事はこちら＞＞後藤田正純 衆議院議員時代の実績と政策
国会議員としての歩み
2000年の第42回衆議院議員選挙で徳島県第3区から初当選を果たし、以後国政の場で活躍を続けました。衆議院議員として4期当選を重ね、様々な重要ポストを歴任しました。
主要な役職と成果
内閣府大臣政務官、衆議院決算行政監視委員長、衆議院東日本大震災復興特別委員長、内閣府副大臣など歴任しています。特に以下の分野で実績を残しました：
決算行政監視委員長として 行政の無駄遣いの監視と効率化を推進し、政府の財政健全化に貢献しました。
復興特別委員長として 東日本大震災からの復興に関わる重要な法案審議を担当し、被災地の復旧・復興に尽力しました。
内閣府副大臣として 第2次安倍内閣において内閣府副大臣を務め、政府の重要政策の推進に関わりました。
後藤田正純氏のの党内経歴についての記事はこちら＞＞自由民主党 後藤田正純の所属と党内経歴を徹底解説
知事としての就任と主要政策
徳島県知事への転身
現場に近い政治を実践するために国会議員から転身し、2023年に徳島県知事に就任した後藤田知事。国政から県政へのキャリアチェンジは、より住民に近い政治を行いたいという強い意志の表れでした。
基本理念と新総合計画
「未来に引き継げる徳島」の実現を基本理念に、2024年度より新総合計画のもと全力で取組を進めている状況です。この理念のもと、持続可能な県政運営を目指しています。
重点政策「徳島バッテリーバレイ構想」
産業振興では「徳島バッテリーバレイ構想」に注力するほか、積極的に海外へ徳島を売り込んでいく方針を掲げています。この構想は、徳島県をバッテリー関連産業の集積地として発展させる戦略的な取り組みです。
政策・ビジョン：徳島県が抱える課題と後藤田氏の提案
徳島県の現状認識
現在、本県をはじめとした地方では、少子高齢化や若者の流出、それに伴う労働力不足など、静かなる有事が進行しており、徳島は、今まさに、勝ち組と負け組が分かれる地方の正念場「地方創生戦国時代」の真っ只中にあると言えます。
主要政策テーマ
人口減少・少子高齢化対策 地方創生戦国時代を勝ち抜くための人口減少対策と、若者の県外流出防止策を重点的に推進。
産業振興・雇用創出 徳島バッテリーバレイ構想を軸とした新産業の創出と、既存産業の競争力強化。
災害対策・防災 南海トラフ地震などの自然災害に備えた防災体制の強化と、被災時の迅速な対応体制の構築。
海外展開・国際化 県産品の海外販路拡大と、インバウンド観光の促進による地域経済の活性化。
家族・親族・人柄：背景から見る後藤田正純
政治家家系のルーツ
後藤田は、東京都多摩市に医師の後藤田圭博と晃子の次男として生まれた家庭で育ちました。
叔祖父・後藤田正晴氏との関係 後藤田正晴（1914年8月9日 – 2005年9月19日）は、内務・警察官僚から政治家となり、第6代警察庁長官、内閣官房長官（第45・47・48代）などを歴任した政界の重鎮でした。正純氏は幼少期からこの叔祖父の影響を受けて育ったことが、政治家志望の原点となっています。
プライベート・人柄
家族構成 2004年には女優の水野真紀さんと結婚し、翌年に長男・晃平君が誕生。現在は徳島県知事として活躍する一方、家族は妻と息子が水野さんの実家がある田園調布の二世帯住宅で暮らしています。
趣味・特技 趣味は囲碁、ゴルフ。知的なゲームと体を動かすスポーツ、両方を楽しむバランス感覚が人柄を表しています。
最新ニュース・最近の動き（知事就任後の活動、声明等）
2024年度の主要な取り組み
「徳島新未来創生総合計画」の推進 2024年度から開始された「徳島新未来創生総合計画」の本格運用により、県政の方向性を明確にし、各分野での具体的な施策を展開中です。
産業政策での積極姿勢 バッテリー関連産業の誘致と育成を軸とした産業振興策を推進。県外・海外からの投資誘致にも積極的に取り組んでいます。
メディア露出・他自治体との連携
上下水道政策についての専門的な議論など、知事としての専門性を活かした政策提言活動も行っています。全国知事会などでの発言も注目されており、地方創生のリーダー的存在として認識されています。
よくある質問（FAQ）
Q: 後藤田正純はいつから徳島県知事になったの？
A: 2023年に徳島県知事に就任し、2023年（令和5年）5月、徳島県知事に就任しました。
Q: 選挙区はどこ？議員として何期務めた？
A: 衆議院議員時代は徳島県第3区から出馬し、4期当選を果たしました。
Q: 政策で特に力を入れている分野は？
A: 産業振興では「徳島バッテリーバレイ構想」に注力するほか、積極的に海外へ徳島を売り込んでいく方針で、産業振興と国際化に特に力を入れています。
Q: 家庭・親族・出身に関する情報は？
A: 2004年には女優の水野真紀さんと結婚し、翌年に長男・晃平君が誕生。叔祖父に元警察庁長官・内閣官房長官の後藤田正晴氏を持つ政治家一家の出身です。
Q: 趣味は何？
A: 趣味は囲碁、ゴルフです。
比較：以前の知事と何が変わるか
国政経験を活かしたアプローチ
衆議院議員として4期務めた豊富な国政経験を県政に活かすことで、国と県の連携をより密にした政策運営が可能になりました。特に中央官庁とのパイプを活用した予算獲得や制度改正要求などで、従来とは異なるアプローチを見せています。
企業経験による実務重視の姿勢
三菱商事での実務経験により、民間企業との連携や産業政策において、より現実的で実効性の高い施策を展開。「徳島バッテリーバレイ構想」なども、こうした背景から生まれた戦略的な政策といえます。
国際的な視野
海外展開への積極的な取り組みは、グローバルな商社経験と国政での外交政策への関わりを背景としており、従来の県政にはない国際的な視点を導入しています。
将来展望と課題
徳島県が直面する構造的課題
人口減少・少子高齢化の加速 全国と同様、徳島県も人口減少が深刻な問題となっており、労働力不足や地域コミュニティの維持が課題です。
若者の県外流出 進学・就職を機とした若者の流出が続いており、地域の活力維持が困難になっています。
災害リスクへの対応 南海トラフ地震などの大規模自然災害への備えと、発生時の迅速な対応体制の構築が急務です。
後藤田知事の対応策と実現可能性
産業政策による雇用創出 バッテリー関連産業の集積により、若者が働ける質の高い雇用を県内に創出する戦略は、実現すれば人口流出に歯止めをかける効果が期待できます。
国政経験を活かした予算獲得 中央政府とのパイプを活用した予算獲得や制度改正は、他の知事にはない強みとして発揮される可能性が高いです。
海外展開による経済活性化 県産品の海外展開やインバウンド観光の促進により、地域経済の新たな成長エンジンを創出する取り組みは、グローバルな視野を持つ後藤田知事ならではの政策です。
**【知事の原点】**後藤田氏の行動原理を知る上で欠かせない。名門・後藤田家の政治哲学に触れる一冊。こちらで詳細を見る>>後藤田正晴氏の著作、政治家論
まとめ：後藤田正純という人物を理解するためのポイント
記事全体の要点
後藤田正純氏は、政治家一家に生まれながらも民間企業での実務経験を積み、国政で4期務めた後に県政に転身した異色の経歴を持つ政治家です。
キーポイント
- 叔祖父の後藤田正晴氏の影響で幼少期から政治に関心を持ち、小学校6年生で政治家志望を表明
- 慶應義塾大学商学部卒業後、三菱商事で5年間の実務経験
- 2000年から2023年まで衆議院議員として4期務め、内閣府副大臣などの重要ポストを歴任
- 2023年に「現場に近い政治」を実践するため徳島県知事に転身
- 「未来に引き継げる徳島」を基本理念とし、「徳島バッテリーバレイ構想」などの産業政策を推進
読者に伝えたいメッセージ
後藤田正純知事は、伝統的な政治家一家の出身でありながら、民間企業での実務経験と国政での幅広い経験を併せ持つ、バランス感覚に優れた政治家です。特に、国と地方の橋渡し役として、また企業経営の視点を政治に活かす実務家として、地方創生の新たなモデルケースを提示する可能性を秘めています。
今後注目すべき点と読者への問いかけ
注目ポイント
- 「徳島バッテリーバレイ構想」の実現状況
- 人口減少対策の具体的成果
- 国政経験を活かした予算獲得の実績
- 海外展開施策の進捗状況
読者への問いかけ あなたの住む地域では、どのような地方創生策が必要だと思いますか？後藤田知事が掲げる「現場に近い政治」というアプローチは、現代の地方自治においてどのような意味を持つのでしょうか？
国政経験者が知事に転身するケースが増える中で、こうした「逆転の発想」による地方政治の活性化について、皆さんはどのように感じられるでしょうか。地方と国の関係、民間と公的セクターの連携など、様々な観点から後藤田知事の挑戦を見守り、その成果を検証していくことが重要です。
徳島県の取り組みが成功すれば、全国の地方自治体にとって新たなロールモデルとなる可能性があり、日本の地方創生に大きな影響を与えることになるでしょう。
**【知事の原点】**後藤田氏の行動原理を知る上で欠かせない。名門・後藤田家の政治哲学に触れる一冊。こちらで詳細を見る>>後藤田正晴氏の著作、政治家論
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪
関連記事
