はじめに
世界地図で見慣れた国や大陸の形が、実は私たちの認識とは大きく異なっているかもしれません。
特に注目を集めているのが「メルカトル図法」による地図表現の歪みです。
今回は、「メルカトル図法」についてご紹介します。
目次
メルカトル図法とは
「トランプ氏はメルカトル地図を見ている」グリーンランド領有意欲をニューズウイーク揶揄 https://t.co/x0Ww6BMoDU
— 産経ニュース (@Sankei_news) January 14, 2025
「メルカトル図法は赤道から離れるほど歪んで見える。アフリカのほうが14倍大きいのに、ほとんどの地図でグリーンランドはアフリカとほぼ同じ大きさに描かれている」と指摘。
メルカトル図法は、16世紀にフランドル地方の地図製作者ゲラルドゥス・メルカトルによって考案された世界地図の投影法です。この投影法は、航海用の地図として極めて重宝されました。
メルカトル図法の特徴
- 方位が正確に保持される
- 経線と緯線が直交する
- 航路が直線で表現できる
- 極地方に近づくほど面積が実際より大きく表現される
なぜ歪みが生じるのか
球面から平面への変換
地球は球体であり、これを平面の地図に表現する際には必ず何らかの歪みが生じます。
メルカトル図法では、赤道付近は比較的正確に表現されますが、極に近づくほど東西方向に引き伸ばされ、面積が実際より大きく表現されてしまいます。
具体的な歪みの例
最も顕著な例がグリーンランドです。メルカトル図法の世界地図では、グリーンランドはアフリカとほぼ同じ大きさに見えますが、実際のアフリカ大陸はグリーンランドの約14倍もの面積があります。
メルカトル図法の現代的意義
利点と活用場面
- 航海や航空での航路設定
- Google マップなどのウェブ地図サービス
- 方位の確認が重要な場面での使用
問題点と課題
- 面積の歪みによる地理認識の誤解
- 特に極地方の表現における不正確さ
- 政治的・社会的影響(国土の大きさに関する誤解など)
新しい地図投影法への動き
代替となる投影法
- ペータース図法:面積を正確に表現
- ウィンケル図法:歪みを最小限に抑える
- ロビンソン図法:視覚的なバランスを重視
教育現場での取り組み
近年、教育現場では複数の地図投影法を併用して学習することで、より正確な地理認識を育むよう努めています。
単一の投影法に依存せず、目的に応じて適切な投影法を選択することの重要性が認識されています。
メルカトル図法とは:まとめ
メルカトル図法は、航海用地図として優れた特徴を持っていますが、面積の歪みという大きな課題も抱えています。
現代では、その特性を理解した上で適切に活用することが重要です。また、様々な投影法を知り、用途に応じて使い分けることで、より正確な地理認識を得ることができます。
地図は世界を理解するための重要なツールですが、完璧な投影法は存在しません。
それぞれの投影法の特徴を理解し、目的に応じて適切に選択することが、正確な地理認識につながるのです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。(^^♪