はじめに
世界中の若手バレエダンサーたちが夢見る最も権威あるコンクールの一つ、ローザンヌ国際バレエコンクール。
1973年から開催されているこのコンクールは、若手ダンサーたちのキャリアを大きく左右する重要な舞台として知られています。
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コンクールの歴史と意義
ローザンヌ国際バレエコンクールは、スイスの実業家フィリップ・ブランシュワイグ氏によって創設されました。
バレエダンサーであった妻エルヴィ・クレミス氏の影響もあり、ブランシュワイグは若手ダンサーたちへの支援の必要性を強く感じていました。
当時、他の芸術分野と比べてダンサーたちは経済的に不利な立場にあることを認識していたブランシュワイグ氏は、モーリス・ベジャール氏やロゼラ・ハイタワー氏と相談を重ね、若手ダンサーに世界的な名門バレエ学校で学ぶ機会を提供するコンクールを設立することを決意しました。
コンクールの特徴と選考方法
独自の評価システム
このコンクールの最大の特徴は、単なる演技の評価だけではないという点です。参加者は以下の要素で総合的に評価されます：
- バーレッスンの受講評価（準決選までの評価の半分を占める）
- クラシック・ヴァリエーション
- コンテンポラリー作品
参加資格と選考プロセス
15歳から18歳までの若手ダンサーが対象で、すでにプロとして活動している者や入団が決まっている者は参加できません。選考は以下の手順で行われます：
- DVD審査による予選
- 一部の国での予備予選
- 約70名による本選
- 20名程度による決選
- 最終的に6-8名の入賞者選出
賞と支援体制
ローザンヌ賞の特典
入賞者には単なる賞金だけでなく、以下のような実践的な支援が提供されます：
- 世界の名門バレエ学校33校での1年間の留学権利
- 提携バレエ団32組織での研修機会
- 授業料と生活費を賄う奨学金の支給
参加者全員へのサポート
入賞できなかった参加者に対しても、以下のようなサポートが用意されています：
- 著名ダンサーによる個別指導
- 提携バレエ学校やバレエ団との留学相談の機会
- 決選進出者への奨励金（1,000スイス・フラン）
- 夏期講習会の受講料免除
日本人ダンサーの活躍：まとめ
【ローザンヌ取材中】
— 新書館ダンスマガジン (@dancemag_jp) February 7, 2025
いよいよ本日、決選を迎えるローザンヌ国際バレエコンクール。
日本からは、安海真之介、大石惺亜、繁田ライアン（米）、浜崎ほの、山谷優月、秋田瑛太、福間悠陽（写真左より）がファイナルに進みます！ pic.twitter.com/2512LJsB9l
2025年の大会では、愛知県出身の安海真之介さんが3位に入賞し、さらに観客賞も受賞するという素晴らしい成果を収めました。
また、東京都の浜崎ほのさんも7位に入賞し、日本人ダンサーの実力の高さを世界に示しました。
このコンクールは、単なる競技会ではなく、若手ダンサーたちのキャリア形成を支援する総合的なプログラムとして機能しています。
世界中の有名バレエ団で活躍する多くのダンサーたちを輩出してきた実績からも、その重要性は明らかです。
毎年1月下旬から2月上旬にかけて開催されるこのコンクールは、バレエ界の未来を担う若手ダンサーたちにとって、夢への重要なステップとなっています。
技術だけでなく、将来性やアーティストとしての資質まで、総合的に評価されるこの舞台で、世界中の若きダンサーたちが自らの可能性に挑戦し続けています。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪
