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旧正月(テト)をベトナムで楽しむ完全ガイド|時期・習慣・旅行の注意点まで徹底解説

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はじめに

ベトナムで一年のうち最も重要な祝日、それが旧正月「テト(Tết)」です。街中が桃の花やキンカンの木で彩られ、家族が集まって伝統料理を囲み、新年の幸運を願う——ベトナムの文化と伝統が最も色濃く現れる特別な時期です。

旅行者にとってテト期間のベトナムは、現地の文化を深く体験できる絶好の機会である一方、店の休業や交通の混雑など、注意すべき点も少なくありません。この記事では、テトの基本知識から楽しみ方、旅行時の注意点まで、ベトナムの旧正月を満喫するための情報を網羅的に解説します。

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ベトナムの旧正月「テト」とは?時期・歴史・特徴を解説

旧正月(テト)の基本時期と2025年の日程

ベトナムの旧正月「テト」は、正式には「テト・グエン・ダン(Tết Nguyên Đán)」と呼ばれ、「元旦の祭り」を意味します。中国暦(太陰暦)に基づいて決まるため、毎年日付が変動し、通常は1月下旬から2月中旬の間に訪れます。

2025年のテトは1月29日(水)で、ベトナムでは1月28日(大晦日)から2月2日までが公式の祝日となります。しかし実際には、多くの企業や商店はテトの1週間前から休業に入り、テト明けも数日間休みが続くため、実質的には2週間程度の長期休暇となります。

2026年のテトは2月17日、2027年は2月6日と予定されており、年によって最大1ヶ月近くずれることがあります。ベトナム旅行を計画する際は、必ず事前にテトの日程を確認し、それに合わせてスケジュールを調整することが重要です。

テトの期間は大きく3つに分けられます。「テト・タ(Tết Ta)」はテト前の準備期間で、家の大掃除や買い出しが行われます。「テト・チュン(Tết Chính)」は元日からの3日間で、家族と過ごす最も重要な時期です。「テト・タン(Tết Tàn)」はテト明けの期間で、徐々に日常生活に戻っていきます。

ベトナムの旧暦では、12年周期の干支が存在し、2025年は「蛇年」となります。各年の干支によって装飾や縁起物のモチーフが変わるため、訪れる年の干支を知っておくと、より深くテト文化を理解できます。

テトがベトナム最大の祝日といわれる理由

テトがベトナム最大の祝日とされる理由は、その歴史的・文化的重要性にあります。テトの起源は数千年前の農耕社会にまで遡り、冬の終わりと春の到来を祝う収穫祭が原型とされています。

ベトナムは長い歴史の中で中国文化の影響を受けてきましたが、テトは単なる中国の旧正月の模倣ではありません。ベトナム独自の伝統や風習が融合し、独特の文化として発展してきました。特にベトナム戦争などの困難な時代においても、テトは家族の絆を確認し、民族のアイデンティティを保つ重要な機会として守られてきました。

現代のベトナムにおいて、テトは家族が一堂に会する唯一の機会となることが多いです。都市部で働く若者たちも、この時期には必ず実家に帰省し、家族と共に過ごします。ベトナム人にとってテトを家族と過ごすことは、何よりも優先される義務であり、喜びでもあります。

テトには「すべてをリセットする」という意味合いもあります。過去一年の借金を清算し、人間関係の問題を解決し、新しい気持ちで新年を迎えるという考え方が根付いています。このため、テト前には借金の返済や贈り物の交換が活発に行われ、社会全体が新年を迎える準備に入ります。

また、テトは宗教的・精神的な意味も持ちます。先祖崇拝が根強いベトナムでは、テトの期間中に祖先の霊が家に戻ってくると信じられています。家族は祖先を迎えるために祭壇を整え、供物を捧げ、感謝と敬意を表します。この儀式を通じて、過去と現在、生者と死者がつながる神聖な時間となるのです。

経済的側面から見ても、テトはベトナム経済において極めて重要です。テト前には消費が急増し、小売業やサービス業が一年で最も忙しい時期を迎えます。ボーナスの支給もこの時期に集中し、人々は新しい服や家電、食材などに惜しみなく出費します。

北部・中部・南部で異なるテト文化の違い

ベトナムは南北に細長い国土を持ち、地域によって気候や歴史的背景が異なります。そのため、テトの祝い方にも地域ごとの特色があります。

北部(ハノイを中心とする紅河デルタ地域)は、最も伝統的で保守的なテト文化が残る地域です。寒い気候の中、桃の花がテトの象徴として家々に飾られます。北部の人々は儀式や作法を重視し、テトの3日間は外出を控え、家族と静かに過ごすことを好みます。料理では「バインチュン(Bánh chưng)」という四角い餅が定番で、これは大地を象徴しているとされます。

ハノイのテトは厳粛な雰囲気があり、初詣は重要な行事です。特に「ハンノム通り」の花市は北部最大規模を誇り、テト前には桃の花や金柑の木を求める人々で大混雑します。また、書道家が縁起の良い言葉を書く「カリグラフィー市」も北部独特の風習です。

中部(フエ、ダナン、ホイアンなど)は、王朝文化の影響を色濃く残す地域です。かつてベトナム最後の王朝があったフエでは、宮廷風のテト料理や儀式が今も受け継がれています。中部では「バインテット(Bánh tét)」という円柱形の餅が好まれ、これは北部のバインチュンとは形が異なります。

中部のテトは比較的温暖な気候の中で行われ、海沿いの地域では新鮮な魚介類を使った料理が豊富に並びます。ホイアンでは、ランタンの装飾がテトの時期にさらに華やかになり、旧市街全体が幻想的な雰囲気に包まれます。

南部(ホーチミンを中心とするメコンデルタ地域)は、最も開放的で賑やかなテト文化を持ちます。一年中温暖な気候のため、桃の花に加えて黄色いアプリコットの花(マイ・ボン)がテトの象徴として飾られます。南部の人々は社交的で、テト期間中も親戚や友人を訪問し合うことが多く、外出する傾向があります。

ホーチミン市のグエンフエ通りやファングーラオ通りでは、テト期間中も多くの店が営業を続け、観光客にとっては比較的過ごしやすい環境です。南部では「フー・ミー・フン(Hủ tiếu)」という米麺料理や、南国のフルーツを使ったデザートがテトの食卓に並びます。

また、南部はメコンデルタの農業地帯を抱えているため、テト前には果物や花の市場が特に賑わいます。ビエンホア近郊やサデック周辺では、水上市場でもテト用の商品が活発に取引され、独特の風景を楽しめます。

これらの地域差を理解することで、訪れる地域に応じたテト体験ができ、ベトナムの多様性をより深く味わえるでしょう。

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テト期間の街のようす|何が休み?観光はできる?

テト前後の店の営業時間・休業日パターン

テト期間中のベトナムでは、多くの店舗や施設が休業するため、旅行者は事前に営業状況を把握しておく必要があります。

一般的な休業パターンとして、個人商店や中小企業はテトの1週間前から休業準備に入り、テト当日を含む前後7日から10日間休むことが一般的です。特に旧市街の商店や家族経営のレストランは、ほぼすべてが休業します。

大型ショッピングモール(ビンコムセンター、ダイアモンドプラザなど)は比較的営業を続けますが、テナント店舗の多くは休業するため、モール自体は開いていても買い物の選択肢は限られます。営業時間も通常より短縮されることが多く、午前10時開店、午後6時閉店といったパターンが見られます。

コンビニエンスストア(サークルK、ファミリーマート、ミニストップなど)は外資系チェーンのため、テト期間中も24時間営業を続ける店舗が多いです。ただし、店員の帰省により人手不足となるため、レジ待ちの時間が長くなることがあります。

レストランや飲食店は、大きく2つのパターンに分かれます。ローカル食堂や小規模レストランはほぼすべて休業しますが、高級レストランやホテル内のレストラン、外国人観光客向けの店は営業を続けることが多いです。ただし、通常より価格が30%から50%程度値上げされることが一般的です。

屋台や路上の食べ物売りも、テトの3日間はほぼ姿を消します。これはベトナムの食文化を楽しみにしている旅行者にとって大きな痛手となります。一部の屋台は4日目以降に徐々に営業を再開しますが、通常の賑わいに戻るには1週間以上かかることもあります。

銀行や郵便局は公式にテトの祝日期間は休業となります。両替や送金などの用事は、必ずテト前に済ませておく必要があります。ATMは稼働していますが、現金が補充されない場合もあるため、テト前に十分な現金を用意しておくことが重要です。

公共機関や政府系オフィスは、公式の祝日期間は完全に休業します。ビザ延長や公的手続きが必要な場合は、テト期間を避けるか、テト前に余裕を持って処理しておく必要があります。

観光客向けのツアー会社や旅行代理店は、テト期間中も営業を続けることが多いですが、スタッフが少数となるため対応が遅れる可能性があります。また、テト期間中のツアー料金は通常の1.5倍から2倍になることが一般的です。

地域による違いも重要です。ハノイは最も多くの店が休業する傾向があり、ホーチミン市は比較的営業を続ける店が多いです。観光地のホイアンやダナンは、外国人観光客が多いため、テト期間中も一定数の店が営業を続けます。

交通機関(国内線・バス・鉄道)の混雑状況

テト期間中の交通機関は、ベトナム最大の帰省ラッシュにより、一年で最も混雑する時期となります。適切な準備と早めの予約が不可欠です。

国内線の航空便は、テトの1週間前から混雑が始まります。ハノイ、ホーチミン、ダナンを結ぶ主要路線は特に予約が困難で、通常の3倍から5倍の運賃になることも珍しくありません。テト直前の数日間と、テト明けの帰りの便は特に高額で、1ヶ月前でも座席が満席になることがあります。

ベトナム航空、ベトジェット、バンブー航空などの主要航空会社は、テト期間に臨時便を増便しますが、それでも需要に追いつかないのが現状です。テト期間中に国内移動を予定している場合は、少なくとも2ヶ月前には航空券を予約しておくことを強くおすすめします。

長距離バスもテト前後は大混雑します。ハノイからホーチミンへ向かう縦断ルート、ハノイから北部の地方都市へ向かう路線、ホーチミンからメコンデルタへ向かう路線などは特に混雑します。バスターミナルは人であふれ、予約していても座席が確保できないトラブルも発生します。

オープンバスツアーなど、外国人旅行者向けのバスサービスは比較的予約が取りやすいですが、料金は通常期の2倍程度に跳ね上がります。また、運行スケジュールが変更されることもあるため、余裕を持った計画が必要です。

鉄道は人気の移動手段で、特にハノイ-ホーチミン間の統一鉄道や、ハノイ-サパ間の夜行列車は早々に満席となります。寝台車は1ヶ月以上前に予約が埋まることも珍しくありません。座席車であれば比較的予約しやすいですが、長時間の移動には向かないでしょう。

都市内の交通も影響を受けます。タクシーやGrabなどの配車サービスは、ドライバーの多くが帰省するため、テト期間中は車両が見つかりにくくなります。見つかったとしても、通常の2倍から3倍の料金を要求されることがあります。

バイクタクシー(セオム)も同様に数が減り、料金交渉が通常より難しくなります。また、テト期間中はメーターを使わず、定額料金を主張するドライバーも増えるため、事前に料金を確認し、納得してから乗車することが重要です。

レンタルバイクやレンタカーは、テト期間中も利用可能ですが、料金が1.5倍から2倍になります。また、保証金の額も増額されることが多いです。さらに、テト期間中は交通事故が増加する傾向があるため、運転には十分な注意が必要です。

市内バスは通常通り運行されますが、路線によっては運行本数が減ることがあります。また、帰省する人々の荷物で満員となり、外国人旅行者が利用しにくい状況になることもあります。

テト期間中の交通混雑を避けるベストな方法は、一つの都市に滞在し、移動を最小限に抑えることです。または、テトが始まる前に目的地に到着し、テトが完全に明けてから次の場所へ移動する計画を立てることをおすすめします。

観光客が利用しやすいスポット・開いている店の傾向

テト期間中でも、外国人観光客が比較的快適に過ごせるエリアや、営業を続ける施設があります。戦略的に行動することで、テト期間中でも充実した観光が可能です。

主要な観光名所は、テト期間中も通常通り開館していることが多いです。ハノイの文廟、ホーチミンの統一会堂、戦争証跡博物館、ダナンのバナヒルズなどは営業を続けます。ただし、営業時間が短縮されたり、入場料が値上げされたりすることがあるため、事前に公式サイトで確認することをおすすめします。

寺院や仏塔は、むしろテト期間中が最も賑わう時期です。ハノイの一柱寺やチャンクオック寺、ホーチミンのティエンハウ寺などは、参拝客で溢れかえります。地元の人々のテトの過ごし方を間近で見られる貴重な機会ですが、非常に混雑するため、貴重品の管理には十分注意が必要です。

外国人観光客が多いエリアは、テト期間中も比較的多くの店が営業を続けます。ハノイの旧市街でも、タヒエン通りやマーマイ通りなどの観光エリアは一部の店が開いています。ホーチミンのデタム通りやファングーラオ通りは、バックパッカー向けの宿やレストランが営業を続け、旅行者にとって便利な拠点となります。

ホイアンは、世界遺産の旧市街に外国人観光客向けのレストランやカフェが多く、テト期間中も営業する店が目立ちます。ランタン作りのワークショップやテーラーショップも、テト期間中に特別料金で営業を続けることがあります。

ダナンやニャチャンなどのビーチリゾート地は、ホテル内のレストランやバー、スパなどが通常営業を続けるため、テト期間中でも快適に過ごせます。ビーチでのんびり過ごすだけなら、テトの影響をほとんど受けません。

高級ホテルやリゾートホテルは、テト期間中も通常通りのサービスを提供します。ホテル内のレストランでは特別なテトメニューが用意されることもあり、ホテルに滞在しながらテト文化を体験できます。ただし、宿泊料金は通常の1.5倍から2倍に設定されることが一般的です。

国際チェーンのレストラン(KFC、ロッテリア、ハイランズコーヒーなど)は、テト期間中も営業を続けることが多いです。地元のローカルフードが食べられない場合の代替手段として覚えておくと便利です。

スーパーマーケット(ビンマート、コープマートなど)は、テトの祝日にも短縮営業で開いていることがあります。ただし、生鮮食品の品揃えは限定的で、特にテト当日は多くの棚が空になります。

外国人居住者が多いエリアでは、テト期間中も営業する店が比較的多いです。ホーチミンの2区や7区(タオディエンエリア)、ハノイのタイ湖周辺などは、外国人向けのカフェやレストランが営業を続けます。

カフェチェーン(ハイランズコーヒー、チュングエンコーヒー、スターバックス)は、テト期間中も多くの店舗が営業しています。Wi-Fiも使えるため、休憩や作業スペースとして重宝します。

観光客向けのマッサージ店やスパも、テト期間中に特別料金で営業を続けることがあります。ただし、スタッフが帰省により減っているため、予約なしでは利用できない可能性が高いです。事前に電話やメッセージで確認し、予約をしておくことをおすすめします。

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テトで体験できる伝統行事と風習

テトの伝統料理(バインチュン、バインテットなど)

テトに欠かせないのが、縁起を担いだ伝統料理の数々です。これらの料理には、それぞれ深い意味と歴史があり、ベトナム文化の核心に触れることができます。

「バインチュン(Bánh chưng)」は、北部で最も重要なテト料理です。もち米、緑豆、豚肉を「ラドン(Lá dong)」という葉で四角く包み、12時間以上煮込んで作ります。四角い形は大地を象徴し、中の緑豆は植物を、豚肉は動物を表すとされています。家族総出で作るのが伝統で、バインチュンを作る過程自体が重要な家族行事となります。

南部では、同様の材料を使いながら円筒形に包んだ「バインテット(Bánh tét)」が主流です。形が異なるだけでなく、中にバナナを入れることもあり、南部独特の甘みが加わります。北部のバインチュンより柔らかく、食べやすいのが特徴です。

「ムットテト(Mứt Tết)」は、テトに欠かせない砂糖漬けの保存食です。ココナッツ、生姜、カボチャ、さつまいも、蓮の実など、様々な食材を砂糖で煮詰めて作ります。来客に茶菓子として出すのが習慣で、家庭によって得意とするムットが異なります。色とりどりのムットが並ぶ様子は、テトの華やかさを象徴しています。

「ゾイガー(Xôi gấc)」は、赤い実「ガック」で色付けした赤いおこわです。赤は幸運と繁栄を象徴する色で、テトの食卓に欠かせません。もち米のモチモチとした食感と、ガックの独特の風味が特徴です。一般的には甘く味付けされ、デザートとして食べられることもあります。

「チャーゾー(Giò chả)」は、ベトナム風のハムやソーセージで、豚肉を香辛料で味付けし、バナナの葉で包んで蒸したものです。テトの間は保存が効き、そのまま食べても、バインチュンと一緒に食べても美味しい万能料理です。

鶏肉料理もテトに欠かせません。「ガーゾイ(Gà luộc)」という茹でた鶏肉は、祭壇に供えた後、家族で食べます。鶏は完全な形で調理することが重要で、これは完全性と家族の統一を象徴しています。

「ニャムメン(Nem)」または「チャーゾー(Chả giò)」と呼ばれる揚げ春巻きも、テトの定番料理です。豚肉、エビ、野菜を米紙で包んで揚げたもので、サクサクとした食感が人気です。手間がかかるため、テトのような特別な日に作られます。

「カインマンチュア(Canh măng chua)」は、タケノコの酸っぱいスープです。テトの期間中、肉料理が続くため、このさっぱりとしたスープで口直しをします。北部ではタケノコの代わりに骨付き豚肉を使うこともあります。

果物もテトに重要な役割を果たします。スイカは富と繁栄を、ドラゴンフルーツは幸運を、バナナは保護を象徴します。果物を美しく盛り付けた「ミエンフォイ(Mâm ngũ quả)」という五果盛りは、祭壇に供える伝統的な飾りです。

これらの料理を味わうことで、ベトナムのテト文化をより深く理解できます。市場や一部のレストランでテト前に購入できるほか、地元の家庭に招かれる機会があれば、本格的な家庭の味を体験できるでしょう。

家族行事・初詣・ご先祖参りの流れ

テトは家族が集まり、先祖を敬う最も重要な時期です。ベトナムの家庭では、伝統的な流れに沿ってテトを過ごします。

テト前の準備として、家中の大掃除「タオラウ(Tảo lau)」が行われます。これは古い悪運や不運を掃き出し、新しい年に幸運を迎え入れるための儀式です。家具を磨き、壁を塗り直し、新しいカーテンや装飾品を飾ります。この掃除はテト前に必ず完了させる必要があり、テト当日に掃除をすることは幸運を掃き出すとしてタブーとされています。

祭壇の準備も重要です。先祖を祀る祭壇を清め、新しい供物を用意します。線香、花、果物、バインチュン、酒などが供えられ、先祖の霊を迎え入れる準備をします。多くの家庭では、テト前に墓参りをして、先祖の墓を清掃し、線香を捧げます。

大晦日「タッタン(Tất tần)」の夜は、家族全員で「タッニエン(Tất niên)」と呼ばれる大晦日の食事を囲みます。一年で最も豪華な食事で、家族の団結を確認する神聖な時間です。この食事には必ず鶏肉とバインチュンが含まれます。

除夜の瞬間、多くの家庭では爆竹を鳴らして(許可されている地域のみ)、悪霊を追い払います。都市部では規制により爆竹は禁止されていますが、花火大会が開催されることがあります。ハノイのホアンキエム湖周辺やホーチミンのグエンフエ通りでは、多くの人々が集まって新年を祝います。

テト初日の朝、最も重要な儀式が「ソンニエン(Sống niên)」です。これは祭壇に線香を捧げ、先祖に新年の挨拶をする儀式です。家族全員が正装して祭壇の前に集まり、家長が祈りの言葉を述べます。この時、過去一年の感謝と新年の繁栄を祈願します。

「シーロック(Xông đất)」または「ションニャー(Xông nhà)」という習慣も重要です。これは「初訪問」を意味し、新年最初に家を訪れる人が、その家の一年の運勢を左右すると信じられています。そのため、多くの家庭では、成功している人や人徳のある人を事前に招待し、新年最初の訪問者としてもらいます。訪問者は幸運をもたらす象徴として、家に入る際に縁起の良い言葉を述べます。

初詣「レチュア(Lễ chùa)」は、テトの2日目または3日目に行われることが多いです。寺院や仏塔を訪れ、線香を捧げ、新年の健康と繁栄を祈ります。ハノイの一柱寺、ホーチミンのヴィンギエム寺、フエのティエンムー寺などは、テト期間中に特に多くの参拝客が訪れます。

参拝の際は、奇数のお札を寄付するのが習慣です。また、寺院で売られている宝くじを買うことも人気で、新年の運試しとして楽しまれています。参拝後は、寺院周辺の屋台で縁起物を購入したり、ベジタリアン料理を楽しんだりします。

親戚訪問もテトの重要な活動です。2日目からは親戚や友人の家を順番に訪問し、新年の挨拶を交わします。訪問の際は手土産を持参するのが礼儀で、お菓子や果物の詰め合わせが一般的です。訪問先では、お茶とムット(砂糖漬け)でもてなされ、近況報告や雑談を楽しみます。

子供や未婚者は、年長者や既婚者から「リシー(Lì xì)」と呼ばれるお年玉を受け取ります。赤い封筒に新札を入れたもので、金額は関係性によって異なりますが、2万ドン(約120円)から50万ドン(約3000円)程度が一般的です。受け取る際は両手で丁寧に受け取り、感謝の言葉を述べるのがマナーです。

テトの期間中は、縁起を担いだ様々なタブーがあります。初日に床を掃くこと、黒や白の服を着ること、誰かを叱ること、悪い言葉を口にすることなどは避けるべきとされています。また、借金の取り立てや、金銭的な話をすることも縁起が悪いとされます。

これらの伝統行事は、家族によって細部が異なりますが、基本的な流れはベトナム全土で共通しています。旅行者がこれらの儀式を直接体験することは難しいですが、寺院での参拝や、街中で家族連れを見かけることで、テト文化の一端を感じることができるでしょう。

お年玉「リシー(Lì xì)」と注意点

「リシー(Lì xì)」は、ベトナムのテトにおける重要な習慣で、日本のお年玉に似ていますが、独特のルールとマナーがあります。

リシーは、既婚者が未婚者に、年長者が年下の者に、雇用者が従業員に渡すのが基本です。日本のお年玉と大きく異なるのは、大人の独身者も受け取る対象となる点です。30代や40代の独身者でも、既婚の友人や兄弟姉妹からリシーを受け取ることができます。

金額の相場は関係性によって異なります。自分の子供には10万ドン(約600円)から50万ドン(約3000円)、親戚の子供には2万ドン(約120円)から10万ドン、友人の子供には2万ドンから5万ドン程度が一般的です。従業員へのリシーはボーナスの意味合いもあり、月給の半月分から1ヶ月分を渡すこともあります。

リシーには必ず新札を使うのがマナーです。そのため、テト前には銀行に新札を求める長い列ができます。旅行者がベトナム人の友人にリシーを渡す場合も、必ず新札を用意しましょう。銀行でベトナムドンを両替する際に「新札でお願いします」と伝えれば対応してもらえます。

赤い封筒「バオリーシー(Bao lì xì)」も重要な要素です。赤は幸運と繁栄を象徴する色で、リシーは必ず赤い封筒に入れて渡します。封筒には吉祥文字や干支のイラストが印刷されており、テト前にはスーパーマーケットや文房具店で様々なデザインの封筒が販売されます。

渡すタイミングにもマナーがあります。テト初日の朝、家族内でまず渡し合います。親戚や友人を訪問した際は、挨拶の後に子供たちに渡します。子供たちは通常、新年の挨拶とともに長寿と健康を願う言葉を述べてから受け取ります。

受け取る側のマナーも重要です。リシーを受け取る際は、必ず両手で丁寧に受け取り、「カムオン(Cảm ơn/ありがとうございます)」と感謝を述べます。その場で封筒を開けて中身を確認することは非常に失礼とされており、後で人目につかない場所で開封します。

旅行者として注意すべき点がいくつかあります。もしベトナム人の家庭に招かれた場合、子供がいるなら必ずリシーを用意していくのが礼儀です。金額は少なくても構いませんが、2万ドン札や5万ドン札を赤い封筒に入れて渡しましょう。

逆に、旅行者が現地の人からリシーを受け取ることは通常ありませんが、もし渡された場合は丁重に受け取りましょう。ガイドさんやホテルスタッフなどとの関係性ができている場合、彼らの子供の写真を見せられたら、リシーを渡すと非常に喜ばれます。

偶数か奇数かも気にされます。ベトナムでは偶数が幸運とされるため、2万、5万、10万、20万、50万といった金額が好まれます。4万ドンのような中途半端な金額は避けるべきです。また、「4」は不吉な数字とされるため、4万ドン札単独で渡すことは避けましょう。

リシーは単なる金銭的な贈り物ではなく、幸運と祝福を分け合う文化的な儀式です。金額の多寡よりも、その心遣いが重視されます。旅行者がこの習慣を理解し、適切に参加することで、現地の人々との距離が一気に縮まり、より深い文化交流が可能になります。

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旧正月中に旅行するメリット・デメリット

観光客が感じる魅力(花市・イベント・にぎわい)

テト期間中のベトナム旅行には、他の時期では味わえない独特の魅力があります。不便さを上回る特別な体験が待っています。

最大の魅力は、ベトナム文化を最も濃密に体験できることです。普段は見られない伝統的な装飾、儀式、家族の絆を間近で観察できます。街全体が祝祭ムードに包まれ、普段は忙しく働くベトナム人が笑顔でゆったりと過ごす姿を見ることができます。

花市「チョーホア(Chợ hoa)」は、テト前の数日間に開催される特別な市場です。ハノイのハンノム通りやホーチミンのグエンフエ通りでは、桃の花、金柑の木、菊、蘭など、色とりどりの花や植木が並びます。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。地元の人々が家族連れで花を選ぶ様子は、見ているだけで心が温まります。

書道市「チョーオンバオ(Chợ ông đồ)」も北部の風物詩です。ハノイの文廟周辺では、書道家が縁起の良い言葉を書いてくれます。「タイロック(Tài Lộc)」(財運)、「フックロック(Phúc Lộc)」(幸運)など、自分の願いを漢字で書いてもらい、赤い紙に仕上げてもらえます。これは素晴らしいお土産になります。

寺院での初詣の雰囲気は圧巻です。テトの2日目、3日目には、地元の人々が正装して寺院に参拝します。線香の煙が立ち込め、鐘の音が響き渡り、熱心に祈りを捧げる人々の姿は神秘的で感動的です。写真撮影は控えめにすべきですが、この神聖な雰囲気を体験する価値は計り知れません。

伝統芸能や獅子舞のパフォーマンスも見どころです。ハノイの旧市街やホーチミンのチャイナタウン(チョロン)では、獅子舞が商店を回り、邪気を払い幸運をもたらす儀式を行います。太鼓の音と共に踊る獅子の姿は迫力満点で、子供から大人まで楽しめます。

都市部から人が減ることで、普段混雑している観光地が空いているという利点もあります。ハロン湾クルーズやホイアンの旧市街など、通常は観光客で溢れている場所も、テト期間中は比較的ゆったりと楽しめることがあります。

テト期間中は花火大会も各地で開催されます。ハノイのホアンキエム湖、ホーチミンのサイゴン川沿い、ダナンのドラゴンブリッジなどで、盛大な花火が打ち上げられます。地元の人々と一緒に新年を祝う一体感は、特別な思い出となるでしょう。

家族重視のベトナム文化を肌で感じられるのも貴重な体験です。公園で家族がピクニックを楽しむ姿、寺院で三世代が一緒に参拝する姿、親戚の家を訪問し合う様子など、家族の絆の強さを実感できます。

写真撮影の機会も豊富です。伝統的なアオザイ(ベトナムの民族衣装)を着た人々、赤と金色で彩られた街並み、花市の色彩、寺院での儀式など、フォトジェニックなシーンに溢れています。インスタグラムやSNS映えする写真を撮りたい人にとっては最高のシーズンです。

テト料理を味わえることも大きな魅力です。バインチュンやバインテットなど、普段は食べられない特別な料理を体験できます。市場で購入したり、営業しているレストランで特別メニューとして提供されたりするため、ベトナムの食文化をより深く理解できます。

地元の人々が最もオープンで友好的になる時期でもあります。祝祭ムードの中、外国人旅行者に対しても親切に接してくれることが多く、交流の機会が増えます。簡単なベトナム語で「チュック・ムン・ナム・モイ(Chúc mừng năm mới/新年おめでとう)」と挨拶すれば、大きな笑顔が返ってくるでしょう。

旅行で困るポイント(料金高騰・交通混雑など)

テト期間中の旅行には魅力がある一方、いくつかの困難や不便さも覚悟する必要があります。

最も大きな問題は、宿泊費と交通費の高騰です。ホテルの料金は通常期の1.5倍から3倍になることが一般的で、人気エリアでは4倍から5倍になることもあります。特にハノイ、ホーチミン、ホイアン、ダナンなどの主要観光地では、早期予約がなければ手頃な宿を見つけることが困難です。

航空券も同様に高額になります。国内線は通常の2倍から5倍、国際線も1.5倍から2倍程度に跳ね上がります。特にテト直前とテト明けの便は最も高く、座席も限られます。フライトの遅延やキャンセルも増える傾向があります。

食事の選択肢が極端に限られることも大きな問題です。ベトナムの魅力の一つである豊富なストリートフードや地元の食堂が、テト期間中はほぼすべて休業します。営業しているレストランは高級店か外国人向けの店に限られ、料金も通常の1.5倍から2倍になります。

ローカルな体験を求める旅行者にとって、この食事の問題は深刻です。フォー、バインミー、ブンチャーなど、ベトナムの代表的な料理を気軽に楽しめないため、「本当のベトナム」を体験するのが難しくなります。

交通の混雑と不便さも無視できません。帰省ラッシュにより、都市間の移動は時間がかかり、ストレスフルです。タクシーやGrabが捕まらない、捕まっても料金が高額、バスや鉄道が満席など、移動のたびに苦労することになります。

観光地によっては、地元の人々の参拝客で大混雑するため、落ち着いて見学できないことがあります。寺院や人気の観光スポットは人で溢れ、写真を撮るのも一苦労です。スリや詐欺のリスクも通常より高まります。

多くのツアーやアクティビティが休止または制限されることも不便です。メコンデルタツアー、料理教室、サイクリングツアーなど、通常は人気のアクティビティが開催されなかったり、料金が大幅に値上げされたりします。

銀行や両替所が休業するため、現金の調達が困難になる可能性があります。ATMは稼働していますが、現金が補填されないまま空になっていることもあります。十分な現金を事前に用意していないと、非常に困る状況に陥ります。

ショッピングの選択肢も限られます。お土産を買いたくても、多くの店が休業しているため、限られた選択肢から選ばざるを得ません。また、営業している店では、テト期間中という理由で値上げされていることもあります。

言語の壁がさらに高くなることもあります。通常、観光地では英語が通じるスタッフがいますが、テト期間中は人手不足のため、英語が話せないスタッフが対応することが増えます。コミュニケーションに苦労する場面が多くなるでしょう。

騒音も問題になることがあります。テト期間中は、花火や爆竹(許可されている地域)、音楽、パーティーなどで、夜遅くまで賑やかです。静かに休みたい旅行者にとっては、騒音が睡眠を妨げる可能性があります。

医療サービスも制限されます。多くのクリニックや薬局が休業するため、体調を崩した際に適切な医療を受けにくくなります。大病院は営業していますが、通常より待ち時間が長くなることがあります。

これらのデメリットを理解した上で、適切な準備と心構えがあれば、テト期間中の旅行も十分に楽しめます。重要なのは、柔軟性を持ち、計画通りにいかないことを受け入れる姿勢です。

テト期間のホテル・航空券予約のコツ

テト期間中にベトナムを旅行するなら、宿泊と交通の予約戦略が成功の鍵となります。

ホテル予約の最大のコツは、とにかく早く予約することです。理想的には3ヶ月前、最低でも2ヶ月前には予約を完了させるべきです。テトの日程が発表されるのは前年の後半なので、日程が確定次第すぐに動き始めましょう。

予約サイトを比較することも重要です。Booking.com、Agoda、Expediaなど、複数のサイトで同じホテルを検索し、最も条件の良いところを選びましょう。直接ホテルに問い合わせると、オンライン予約サイトより安い料金を提示してくれることもあります。

キャンセルポリシーを必ず確認してください。テト期間中は通常より厳しいキャンセル条件が設定されていることが多く、キャンセル不可や高額なキャンセル料が課せられることがあります。計画が変更になる可能性がある場合は、柔軟なキャンセル条件のホテルを選びましょう。

エリア選びも戦略的に行いましょう。主要観光地の中心部は高額になるため、少し離れたエリアで探すと、手頃な価格で見つかることがあります。ただし、テト期間中は交通手段が限られるため、徒歩圏内に飲食店やコンビニがあるエリアを選ぶことが重要です。

ホーチミンなら、1区の中心部は高額ですが、3区や10区なら比較的手頃です。ハノイなら、旧市街は高額ですが、バーディン地区やドンダー地区は手が届きやすい価格帯です。ただし、テト期間中は中心部から離れると不便さも増すため、バランスを考慮しましょう。

航空券予約も同様に早期予約が鉄則です。国内線は2ヶ月前、国際線は3ヶ月前が目安です。特にハノイ-ホーチミン間などの主要路線は、1ヶ月前には高額になっているか満席になっています。

フライトの時間帯選びも重要です。早朝や深夜の便は比較的安く、空席も残りやすい傾向があります。また、テト当日のフライトは意外と空いていることがあります。多くの人が前日までに移動を終えるため、当日は需要が少し下がります。

経由便も検討しましょう。直行便が満席または高額な場合、経由便なら座席があり、料金も手頃なことがあります。ただし、テト期間中は遅延やキャンセルのリスクも高いため、乗り継ぎ時間には十分な余裕を持たせましょう。

航空会社のメルマガやアプリで通知を設定しておくと、セール情報をいち早く入手できます。ベトナム航空、ベトジェット、バンブー航空は、時々テト期間中のプロモーション運賃を発売することがあります。

代替案を持つことも重要です。第一希望の日程や行き先が高額すぎる場合、日程をずらしたり、別の都市を訪れたりすることを検討しましょう。例えば、ハノイやホーチミンではなく、ダナンやニャチャンを選ぶと、料金が抑えられることがあります。

パッケージツアーを検討するのも一つの手です。旅行会社が提供するテト期間のベトナムツアーは、個別に予約するより総額が安くなることがあります。また、食事や移動が含まれているため、テト期間中の不便さを軽減できます。

長期滞在を検討することも有効です。短期間の旅行だと、テトの影響を大きく受けますが、2週間以上滞在すれば、テト前とテト後の両方を体験でき、料金が高騰している期間を相対的に短くできます。

予約確認は必ず何度も行いましょう。テト期間中は、ホテルや航空会社の予約システムにトラブルが発生することがあります。出発前に再度予約を確認し、バウチャーやEチケットを印刷またはスクリーンショットで保存しておくことをおすすめします。

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テト旅行で気をつけたいポイントと事前準備

両替・財布・防犯で注意すべきこと

テト期間中のベトナムでは、通常以上に金銭管理と防犯に注意を払う必要があります。

現金の準備が最も重要です。テト期間中は多くの銀行や両替所が休業するため、必ずテト前に十分な現金を用意しておきましょう。目安としては、滞在日数×100万ドン(約6000円)以上は持っておくと安心です。ATMは稼働していますが、現金が補充されず使えない場合もあります。

両替は空港や主要ホテルで行うのが確実です。テト期間中でも空港の両替所は営業していますが、レートはあまり良くありません。可能であれば、テト前に街中の両替所でレートの良いところを見つけて両替しておきましょう。

新札を用意することも検討してください。もし現地の友人の家に招かれたり、子供にリシー(お年玉)を渡す機会があれば、新札が必要です。銀行で両替する際に「新札でお願いします」と伝えれば対応してもらえます。

財布は複数に分けて持ち歩くことをおすすめします。メインの財布には当日必要な金額のみを入れ、予備の財布にはホテルの金庫や別のバッグに入れて分散させましょう。万が一スリに遭っても、すべての現金を失わずに済みます。

クレジットカードも複数枚持参し、別々の場所に保管しましょう。テト期間中でも、大型ホテルやレストラン、ショッピングモールではクレジットカードが使えます。Visa、Mastercard、JCBの3種類を持っていれば、ほぼすべての場所に対応できます。

防犯の基本を守りましょう。テト期間中は花市や寺院などの混雑した場所で、スリや置き引きが増加します。バッグは体の前に抱え、ファスナーは常に閉め、貴重品は目を離さないようにしてください。

特にホアンキエム湖周辺(ハノイ)やベンタイン市場周辺(ホーチミン)、ホイアンの旧市街などの観光地では、観光客を狙ったスリが多発します。カメラやスマートフォンを首から下げたままにせず、使わないときはバッグにしまいましょう。

バイクのひったくりにも注意が必要です。歩道を歩く際は、車道側にバッグを持たず、建物側に持つようにしましょう。また、スマートフォンを手に持って歩くことは避け、必要な時だけ取り出すようにしてください。

夜間の外出には特に注意が必要です。テト期間中は夜遅くまで賑やかですが、人気のないエリアや暗い路地には近づかないようにしましょう。タクシーを利用する際は、正規のタクシー会社(マイリンタクシー、ビナサンタクシーなど)を選び、メーターが動いているか確認してください。

詐欺にも警戒しましょう。テト期間中は「特別価格」と称して高額な商品を売りつける詐欺が増えます。露店で購入する際は、必ず価格を確認し、納得してから購入してください。相場より明らかに高い場合は、きっぱりと断る勇気も必要です。

ホテルの金庫を活用しましょう。パスポート、航空券、予備のクレジットカード、大金など、その日使わないものは必ずホテルの金庫に預けてください。部屋の金庫が信用できない場合は、フロントに預けることもできます。

保険への加入も重要です。海外旅行保険に加入しておけば、万が一盗難に遭った場合でも補償を受けられます。クレジットカード付帯の保険でも構いませんが、補償内容を事前に確認しておきましょう。

緊急連絡先をメモしておくことも大切です。クレジットカード会社の緊急連絡先、保険会社の連絡先、日本大使館・領事館の連絡先などを、スマートフォンとは別に紙に書いて持ち歩きましょう。

おすすめ持ち物(服装・薬・支払い手段)

テト期間中のベトナム旅行では、通常の旅行以上に周到な準備が必要です。適切な持ち物を用意することで、快適な旅行が可能になります。

服装については、訪れる地域と時期によって大きく異なります。北部(ハノイ)の1月から2月は意外と冷え込み、気温が10度前後になることもあります。長袖シャツ、セーター、薄手のジャケットは必須です。一方、南部(ホーチミン)は常夏で、30度を超える暑さが続くため、半袖シャツと短パンで十分です。中部(ダナン、ホイアン)はその中間で、日中は暑く夜は涼しいため、重ね着できる服装が便利です。

寺院参拝を予定しているなら、肩と膝が隠れる服装を用意しましょう。タンクトップやショートパンツでは入れない寺院もあります。薄手の長袖シャツやロングパンツを一着持っていくと安心です。女性は肩にかけられる大判のストールがあると、寺院参拝時だけでなく冷房対策にも使えて便利です。

靴は歩きやすいスニーカーやサンダルが基本ですが、寺院では靴を脱ぐことが多いため、脱ぎ履きしやすいものを選びましょう。ビーチサンダルは便利ですが、長時間歩くと疲れるため、サポート性のあるサンダルがおすすめです。

薬は必ず日本から持参しましょう。テト期間中は多くの薬局が休業するため、現地で購入するのが困難です。常備薬はもちろん、以下のものを用意しておくと安心です。

胃腸薬は最重要です。テト料理は油を多く使うものが多く、普段と異なる食事で胃腸を壊しやすくなります。下痢止めと整腸剤の両方を持っていきましょう。

解熱鎮痛剤も必須です。気温差や疲れから体調を崩すことがあります。頭痛薬や風邪薬も忘れずに持参してください。

虫除けスプレーと虫刺され薬も重要です。テト期間は花市や屋外イベントに参加する機会が多く、蚊に刺されることがあります。デング熱などの感染症予防のためにも、虫除け対策は欠かせません。

日焼け止めとリップクリームも持参しましょう。特に南部やビーチリゾートでは、強い日差しにさらされます。SPF50以上の日焼け止めを用意してください。

マスクやのど飴もあると便利です。エアコンの効いた室内と屋外の温度差が激しく、喉を痛めることがあります。また、寺院での線香の煙で咳き込むこともあるため、マスクがあると役立ちます。

支払い手段は多様化させることが重要です。現金、クレジットカード、デビットカード、電子決済アプリなど、複数の選択肢を用意しましょう。

現金は米ドルとベトナムドンの両方を持つことをおすすめします。米ドルは緊急時の備えとして、100ドル札を数枚持っておくと安心です。ただし、日常的な支払いはベトナムドンで行うのが基本です。

クレジットカードは、VisaとMastercardの2種類を持参しましょう。一部の店ではどちらか一方しか使えないことがあります。また、カードが磁気不良で使えなくなることもあるため、複数枚あると安心です。

国際キャッシュカードやデビットカードがあれば、ATMで現地通貨を引き出せます。クレジットカードのキャッシング機能も利用できますが、手数料が高いため、最終手段として考えましょう。

電子機器関連の持ち物も重要です。スマートフォンの充電器とモバイルバッテリーは必須です。テト期間中は写真を撮る機会が多く、バッテリー消費が激しくなります。10000mAh以上のモバイルバッテリーを持参しましょう。

変換プラグはベトナムのコンセント(Aタイプ、Cタイプ、SEタイプが混在)に対応したものを用意してください。ホテルによってコンセントの形状が異なるため、マルチタイプの変換プラグが便利です。

ポケットWi-Fiまたは現地SIMカードの準備も検討しましょう。テト期間中は、営業している店を探したり、交通手段を調べたりするのにインターネットが不可欠です。日本でレンタルするポケットWi-Fiか、空港で購入できる現地SIMカードを用意しましょう。

その他の便利グッズとして、ウェットティッシュは必携です。ベトナムのレストランや屋台では、おしぼりが有料のことが多く、自分で持っていると便利です。アルコール除菌タイプだとさらに安心です。

ビニール袋も数枚持っていくと重宝します。濡れた服や使用済みのマスク、購入したお土産を分けるのに使えます。ジップロックタイプなら、スマートフォンを入れて防水対策にもなります。

折りたたみ傘またはレインコートもあると安心です。テト期間の天気は不安定で、突然のスコールに見舞われることがあります。特に北部では霧雨が降ることもあります。

懐中電灯またはヘッドライトがあると便利です。ホテルによっては停電することがあり、また夜間に外出する際も役立ちます。スマートフォンのライト機能でも代用できますが、専用の懐中電灯のほうが明るく便利です。

筆記用具とメモ帳も持参しましょう。言葉が通じないときは、金額や住所を書いて見せると伝わりやすくなります。また、美味しかった店の名前や住所をメモしておくのにも役立ちます。

最後に、小さなお土産をいくつか持参することをおすすめします。現地で親切にしてもらった人や、偶然知り合った人に日本のお菓子や文房具などを渡すと、喜ばれます。特に子供がいる家庭に招かれた場合、日本の文房具やお菓子は大変喜ばれます。

テト期間でも快適に過ごせる旅行プランの作り方

テト期間中のベトナム旅行を成功させるには、通常とは異なる戦略的な計画が必要です。以下のポイントを押さえれば、快適な旅行が実現できます。

滞在都市は慎重に選びましょう。ハノイは最も伝統的なテトを体験できますが、店の休業率も最も高いです。ホーチミンは比較的多くの店が営業を続けるため、初めてのテト旅行にはおすすめです。ホイアンやダナンは観光地として外国人向けのサービスが充実しており、テト期間中でも快適に過ごせます。

一つの都市に長く滞在する計画を立てましょう。テト期間中の都市間移動は困難で高額なため、頻繁に移動する計画は避けるべきです。一つの都市に4日から7日滞在し、じっくりとその街のテト文化を体験する方が賢明です。

宿泊施設は高級ホテルまたはしっかりしたゲストハウスを選びましょう。テト期間中は、ホテル内のレストランや施設が営業を続けているかどうかが重要です。朝食付きのプランを選べば、少なくとも1日1食は確保できます。キッチン付きの宿なら、自炊という選択肢も持てます。

事前リサーチが成功の鍵です。訪れる予定のレストラン、カフェ、観光施設が、テト期間中に営業しているかを事前に確認しましょう。Googleマップのレビューやトリップアドバイザーで、過去のテト期間中の営業状況をチェックできます。また、施設の公式Facebookページで最新情報を確認するのも有効です。

食事計画は特に重要です。テト期間中に営業している可能性が高い店をリストアップしておきましょう。国際チェーン(KFC、ロッテリア、ピザハット)、ホテル内レストラン、高級レストラン、観光地の外国人向けレストランなどです。また、コンビニの場所も把握しておきましょう。

柔軟なスケジュールを組みましょう。「この日は絶対にこれをする」という固定計画は避け、「できればこれをしたい」という程度のゆるい計画にしておくことをおすすめします。予定していた店が休業していたり、交通手段が確保できなかったりしても、慌てずに代替案を考えられるようにしましょう。

テト文化の体験を旅行のメインにしましょう。通常の観光スポット巡りではなく、花市の見学、寺院での初詣、獅子舞の鑑賞、テト料理の試食など、テトならではの体験を中心に計画を立てます。これらは無料または低コストで楽しめ、ベトナム文化を深く理解できます。

地元の人との交流機会を作りましょう。ホテルのスタッフ、ツアーガイド、カフェの店員などと会話し、テトの過ごし方を聞いてみてください。もし家庭に招待されたら、ぜひ参加しましょう。本物のテト文化を体験できる貴重な機会です。

混雑を避ける時間帯を選びましょう。寺院は早朝が比較的空いています。花市は夕方から夜にかけてが最も混雑するため、午前中の訪問がおすすめです。観光地は午後の方が空いていることが多いです。

休息日を計画に組み込みましょう。テト期間中は刺激的ですが、疲労も蓄積します。スケジュールに「何もしない日」を1日設けて、ホテルのプールでのんびりしたり、部屋で休んだりする時間を確保しましょう。

ビーチリゾートでの滞在を組み合わせるのも良い戦略です。ニャチャン、ムイネー、フーコック島などのビーチリゾートは、テト期間中でもホテル内で完結できるサービスが充実しています。都市部での文化体験の後、ビーチでゆっくり過ごすというプランは、テト旅行に最適です。

写真撮影のマナーを守りましょう。寺院での儀式や人々の祈りの様子を撮影する際は、必ず許可を得てください。フラッシュは使わず、邪魔にならない位置から撮影します。地元の人々の神聖な時間を尊重する姿勢が重要です。

言葉の準備をしておきましょう。「チュック・ムン・ナム・モイ(Chúc mừng năm mới/新年おめでとうございます)」という挨拶を覚えておくと、地元の人々に喜ばれます。また、「カムオン(Cảm ơn/ありがとう)」「シンローイ(Xin lỗi/すみません)」などの基本的なベトナム語も覚えておきましょう。

緊急時の対応を準備しておきましょう。日本大使館・領事館の連絡先、宿泊ホテルの住所と電話番号、海外旅行保険の連絡先などを、オフラインでもアクセスできるようにメモしておきます。また、信頼できる病院の情報も事前に調べておくと安心です。

最後に、期待値を適切に設定することが重要です。テト期間中のベトナムは、通常期とはまったく異なります。不便なこともありますが、それ以上に特別な体験ができます。完璧な旅行を目指すのではなく、起こること全てを受け入れ、楽しむ心構えが大切です。


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ベトナムの旧正月:まとめ

ベトナムの旧正月「テト」は、この国の魂に触れられる特別な時期です。家族の絆、先祖への敬意、新年への希望——ベトナム人が最も大切にする価値観が、テトには凝縮されています。

旅行者として訪れる際は、確かに不便さや困難もありますが、それを補って余りある文化的体験が待っています。適切な準備と柔軟な心構えがあれば、テト期間中のベトナム旅行は、一生の思い出となる素晴らしい経験になるでしょう。

この記事で紹介した情報を参考に、ぜひベトナムのテトを体験してみてください。赤と金色に彩られた街、線香の香り、家族の笑顔、伝統料理の味——五感すべてで感じるテトの魅力は、言葉では言い表せないほど豊かです。

「チュック・ムン・ナム・モイ(新年おめでとうございます)」——この挨拶とともに、ベトナムの人々と喜びを分かち合える旅になることを願っています。

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最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪

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