はじめに
ホンダFTR223は、スタイリッシュなフラットトラッカースタイルで人気のバイクですが、シート高が高めで足つきに不安を感じるライダーも少なくありません。
そんな悩みを解決する「ローダウン」について、方法から費用、注意点まで徹底的に解説します。
FTR223ローダウンとは?

引用元:unsplash.com
ローダウンの意味(シート高を下げて足つきを良くする)
ローダウンとは、バイクのシート高を下げて地面に足が届きやすくするカスタムのことです。足つき性が向上することで、停車時の安定感が増し、特に身長が低めのライダーや初心者でも安心してバイクを扱えるようになります。
FTR223の純正シート高と比較
FTR223の純正シート高は約805mmです。これは一般的な250ccクラスのバイクと比較するとやや高めの設定で、身長165cm以下のライダーだと両足のつま先がやっと地面に届く程度になることもあります。ローダウンカスタムを施すことで、このシート高を20mm~40mm程度下げることが可能です。
ローダウンが人気の理由
FTR223でローダウンが人気な理由は、以下の点にあります。
まず、スタイリングとの相性の良さが挙げられます。もともとフラットトラッカースタイルという低重心でスポーティなデザインのFTR223は、ローダウンすることでさらに地面に張り付くようなアグレッシブな見た目になります。
次に、実用性の向上です。足つきが良くなることで、信号待ちや渋滞時のストレスが軽減され、Uターンや取り回しも楽になります。特に女性ライダーや小柄な方にとっては、バイクライフの快適性が大きく向上するカスタムといえるでしょう。
FTR223ローダウンの主な方法
FTR223のローダウンには、主に3つの方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
サスペンションを交換する
ローダウンサスの種類(社外品)
リアサスペンションを純正より短いローダウン仕様のサスペンションに交換する方法です。社外品メーカーから、FTR223専用のローダウンリアサスが複数販売されています。一般的には純正より20mm~30mm短いモデルが主流で、減衰力調整機能付きの高性能モデルもあります。
メリット・デメリット
メリットは、サスペンション自体を新品に交換するため、ローダウンしながら乗り心地や減衰性能を向上させられる点です。古くなった純正サスから交換すれば、走行性能も改善されます。
デメリットは、3つの方法の中で最もコストがかかることです。また、車高が下がることでリアのストローク量が減少し、大きな段差を乗り越える際に底つきしやすくなる可能性があります。バンク角も減少するため、コーナリング時の注意が必要です。
ローダウンリンクを取り付ける
リアサスペンションとスイングアームをつなぐリンク部分に、専用のローダウンリンクを取り付ける方法です。純正のリンクと交換することで、サスペンションの取り付け位置を変更し、車高を下げる仕組みです。
費用目安・作業難易度
ローダウンリンクの部品代は1万円前後が相場で、比較的リーズナブルです。作業難易度は中程度で、基本的な工具とジャッキがあれば作業可能ですが、リアタイヤを浮かせた状態での作業が必要になります。
DIY可能かショップ依頼か
メカニックの経験がある方であれば、DIYでの取り付けも可能です。ただし、サスペンション周りは走行安全性に直結する重要な部分なので、不安がある場合はバイクショップに依頼することをおすすめします。工賃は5,000円~10,000円程度が目安です。
シート加工(あんこ抜き)
シートの内部クッション材(通称「あんこ」)を削って薄くすることで、シート高を下げる方法です。
費用が安い方法
シート加工は3つの方法の中で最も費用を抑えられます。DIYで行えば材料費のみ(数千円程度)、ショップに依頼しても5,000円~15,000円程度で施工可能です。サスペンション系のカスタムと併用することもできます。
見た目・乗り心地の変化
シートが薄くなるため、見た目がよりスリムでスポーティな印象になります。ただし、クッション性が低下するため、長時間の乗車では疲れやすくなる可能性があります。削りすぎるとシートベースの硬さを直接感じてしまうため、適度なバランスが重要です。
ローダウンにかかる費用の目安
各方法の費用をまとめると、以下のようになります。
サスペンション交換:30,000円~60,000円 社外ローダウンサスの本体価格が25,000円~50,000円程度で、工賃が5,000円~10,000円程度です。高性能モデルを選ぶとさらに高額になります。
ローダウンリンク:15,000円~20,000円 部品代が8,000円~12,000円程度、工賃が5,000円~10,000円程度です。DIYで取り付ければ部品代のみで済みます。
シート加工:5,000円~15,000円 業者に依頼する場合の相場です。自分で行えば、工具やカッター、接着剤などの材料費のみで済むため、数千円程度に抑えられます。
予算と求める効果に応じて、これらを組み合わせることも可能です。例えば、ローダウンリンクとシート加工を併用すれば、40mm~50mmのローダウンが実現できます。
ローダウンのメリット・デメリット
メリット
足つき性の改善
最大のメリットは、何といっても足つき性の向上です。両足のかかとまでしっかり地面につけられるようになると、停車時の安定感が格段に増します。信号待ちや渋滞時の疲労も軽減され、特に長時間のツーリングでは大きな違いを感じるでしょう。
取り回しが楽になる
足つきが良くなることで、駐車場での取り回しやUターン、押し歩きなどが格段に楽になります。重心も低くなるため、バイク全体の安定感が増し、初心者でも扱いやすくなります。また、低重心化によってスタイリングもよりアグレッシブでカッコよく見えるという視覚的なメリットもあります。
デメリット
車体バランスが変わる
ローダウンすることで、バイクの前後バランスが変化します。特にリアだけをローダウンした場合、車体が後傾姿勢になり、ハンドリング特性が変わることがあります。これにより、コーナリング時の感覚が純正時と異なると感じることもあるでしょう。
走行性能への影響
車高が下がることで地上高(ロードクリアランス)が減少し、段差や縁石を乗り越える際に車体底部が接触しやすくなります。また、バンク角が減少するため、深くバンクさせるコーナリングでは、ステップやマフラーが早めに地面に接触する可能性があります。
サスペンションのストローク量も減少するため、大きな凹凸や段差では底つきしやすくなり、乗り心地が悪化する場合もあります。
車検・安全性の注意点
過度なローダウンは車検に通らない可能性があります。地上高は最低9cm以上を確保する必要があり、それを下回ると保安基準不適合となります。また、サスペンションの性能が著しく低下すると、走行安全性に問題が出る可能性もあるため、適度なローダウンを心がけることが重要です。
FTR223ローダウンにおすすめのパーツ
FTR223のローダウンカスタムに使える主なパーツをご紹介します。
ローダウンリンク(社外製品例) 各社から専用設計のローダウンリンクが販売されています。一般的には20mm~30mmダウンのモデルが主流で、取り付けボルトも付属している製品が多いです。選ぶ際は、信頼できるメーカーの製品を選び、レビューや口コミを参考にすると良いでしょう。
社外リアサス ローダウン仕様のリアサスペンションは、減衰力調整機能付きのモデルがおすすめです。車高を下げながらも、乗り心地や走行性能を維持できます。有名どころでは、国内外のサスペンションメーカーがFTR223対応モデルを展開しています。
ローダウンシート 純正シートよりも座面が低く設計されたローダウン専用シートも販売されています。あんこ抜き加工済みで、適度なクッション性を保ちながら車高を下げられるため、乗り心地とローダウンを両立したい方におすすめです。
👉 これらのパーツは、楽天市場やAmazonでも購入可能です。「FTR223 ローダウンリンク」「FTR223 リアサス」などのキーワードで検索すると、複数の製品が見つかります。レビューや評価を参考に、自分の予算と目的に合ったパーツを選びましょう。
ローダウンの注意点と安全対策
やりすぎない(下げ幅の目安)
ローダウンは適度に行うことが重要です。一般的には30mm~40mm程度のローダウンが、足つき性と走行性能のバランスが良いとされています。それ以上下げると、地上高不足やサスペンション性能の著しい低下につながる可能性があります。
特に、段差の多い市街地走行が多い方や、ツーリングで様々な道を走る方は、下げすぎに注意しましょう。
プロショップでの作業がおすすめ
サスペンション周りは、バイクの走行安全性に直結する重要な部分です。取り付け作業に自信がない場合や、初めてのローダウンカスタムの場合は、経験豊富なバイクショップに依頼することを強くおすすめします。
プロの整備士なら、適切なトルクでボルトを締め付け、組み付け後の動作確認もしっかり行ってくれます。また、ローダウン後のセッティングについてもアドバイスが受けられます。
車検・保安基準に注意
FTR223は250cc未満なので車検はありませんが、保安基準は満たす必要があります。地上高は9cm以上を確保し、灯火類が適切に機能することを確認しましょう。
また、過度なローダウンは任意保険の適用に影響する可能性もあるため、改造内容は保険会社に申告しておくことをおすすめします。
ローダウン以外で足つきを良くする方法
ローダウンカスタム以外にも、足つき性を改善する方法があります。
ブーツやライディングシューズの活用 ソールが厚めのライディングブーツを履くことで、実質的に身長を2cm~3cm高くできます。特にヒール部分が高めに設計されたブーツなら、ローダウンせずとも足つきが改善されることがあります。
シート加工の工夫 シート全体を削るのではなく、座面の中央部分だけをくぼませる「すり鉢加工」という方法もあります。この方法なら、座ったときに腰が落ち込んで足が伸びやすくなる一方、前後の部分は厚みを残せるため、長距離走行時の快適性も維持できます。
また、シート表皮を滑りにくい素材に変更することで、停車時に体が前方にずれやすくなり、足つき性が向上する効果もあります。
FTR223ローダウンのやり方:まとめ
FTR223のローダウンは「サスペンション交換」「ローダウンリンク取付」「シート加工」の3つが主流で、それぞれにメリット・デメリットがあります。
サスペンション交換は性能向上も期待できますが費用が高め、ローダウンリンクはコストパフォーマンスに優れ、シート加工は最も安価で手軽です。予算や目的に応じて、これらを単独または組み合わせて施工することができます。
ローダウンのメリットは、足つき性の改善と取り回しの向上ですが、車高が下がることで地上高の減少やバンク角の低下、サスペンション性能への影響といったデメリットもあることを理解しておく必要があります。
安全性に配慮し、適度なローダウンを心がけることが大切です。作業に不安がある場合は、プロのショップに相談し、保安基準を満たす範囲でカスタムを楽しみましょう。自分に合った方法を選んで、より快適なFTR223ライフを送ってください
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪
















