はじめに
北極圏に位置する世界最大の島、グリーンランド。その地下には、レアアースや石油、天然ガスなど、豊富な資源が眠っています。
近年、この地域の資源開発を巡って、国際的な注目が集まっています。
今回は、グリーンランドの資源開発の現状と課題について、特に中国企業の投資動向を中心に詳しく見ていきましょう。
目次
グリーンランドの資源ポテンシャル
グリーンランドの資源開発、中国に商機はあるか レアアースなど豊富に埋蔵も、期待先行が現実（東洋経済オンライン）
— BULLET (@nbe222) January 28, 2025
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グリーンランドは、その広大な土地に様々な天然資源を抱えています。特に注目されているのが、以下の資源です：
- レアアース（軽希土類・重希土類）
- 石油・天然ガス
- レアメタル
- ウラン
- 亜鉛
これらの資源は、現代のハイテク産業には不可欠な材料として知られています。
特にレアアースは、電気自動車やスマートフォンなど、私たちの生活に欠かせない製品の製造に重要な役割を果たしています。
中国企業の投資動向
ETMプロジェクトと盛和資源の参画
現在、グリーンランドでは2つの大規模なレアアース開発プロジェクトが進行中です。
その一つが、オーストラリアの資源開発企業ETM（エナジー・トランジション・ミネラルズ）によるものです。
中国のレアアース大手である盛和資源は、2016年に約7億5100万円を投資し、ETMの株式12.5％を取得しました。
当初は筆頭株主として参画し、将来的には最大60％まで権益を拡大できる契約を結んでいました。
しかし、その後の展開は必ずしも順調ではありませんでした。2023年末時点で、盛和資源の持株比率は8.93％まで低下し、株主順位も第4位に後退しています。
開発の課題と現実
開発実現へのハードル
グリーンランドの資源開発には、いくつかの大きな課題が存在します：
環境的課題
- 過酷な気候条件
- アクセスの困難さ
- 環境保護への配慮
政治的課題
グリーンランドの政治体制は複雑です。資源開発の許認可権は自治政府が持っていますが、外交・国防・財政についてはデンマークが管轄しています。
地政学的リスクの高まり
近年、特に注目すべき点は地政学的リスクの上昇です。欧米諸国は、国家安全保障の観点から中国企業の投資に対して慎重な姿勢を示しています。
実際に、タンブリーズ・マイニング社のケースでは、採掘許可の延長時に、デンマークとアメリカの政府関係者から中国企業への権益売却を控えるよう要請があったとされています。
今後の展望：まとめ
グリーンランドの資源開発は、大きな可能性を秘めていながらも、様々な課題に直面しています。特に以下の点が今後の鍵となるでしょう：
- 環境に配慮した持続可能な開発手法の確立
- 国際的な政治バランスへの配慮
- 技術的課題の克服
- 投資リスクの管理
グリーンランドの資源開発は、単なる経済的な問題ではなく、国際政治や環境保護など、多面的な要素が絡み合う複雑な課題となっています。
今後の展開には、慎重かつ長期的な視点が必要とされるでしょう。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪
