はじめに
太陽物理学の新たな地平を切り開く、NASAの野心的なミッションについてご紹介します。
パーカー・ソーラー・プローブは、人類が作り出した探査機として初めて「太陽に触れた」という歴史的な快挙を成し遂げ、今また新たな記録に挑もうとしています。
今回は、パーカー・ソーラー・プローブについてご紹介します。
驚異的な接近と速度
【探査機が太陽に史上最接近=NASA】
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) December 25, 2024
☀️ NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が24日、太陽の表面から約610万キロまで接近し、これまで打ち上げられた探査機の中で太陽に最も近づいた。
2018年に打ち上げられた 同探査機は、太陽を周回しながら観測を行っている。… pic.twitter.com/DXlIeoRD5K
2024年12月24日、パーカー・ソーラー・プローブは太陽への接近通過(フライバイ)において、太陽表面からわずか610万キロの距離まで接近します。
この距離は、人類が太陽に最も近づいた記録となります。さらに驚くべきは、その飛行速度です。
時速69万2000キロという途方もない速さで飛行し、これはワシントンから東京までを1分もかからずに到達できる速度に相当します。
ミッションの歴史と目的
金星の夜側 太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブが撮影【今日の宇宙画像】※再掲https://t.co/2VoyvSE3A4 pic.twitter.com/AGf3wKYByd
— sorae 宇宙へのポータルサイト (@sorae_jp) October 14, 2024
2018年8月12日に打ち上げられたパーカー・ソーラー・プローブは、その名を太陽物理学の先駆者であるユージン・パーカー氏から授かりました。
2021年12月には太陽の大気「コロナ」への突入という歴史的な成果を上げ、太陽の粒子と磁場の直接サンプリングに成功しています。
解明を目指す太陽の謎
このミッションが目指すのは、以下のような太陽にまつわる長年の謎の解明です:
- 太陽風の生成メカニズム
- 太陽のコロナが表面よりも高温である理由
- コロナ質量放出の構造と仕組み
これらの現象の理解は、地球の通信インフラや電力網を保護する上で重要な意味を持ちます。
特に、コロナ質量放出による磁気嵐は、私たちの生活に直接的な影響を及ぼす可能性があるためです。
今後の展望
探査機の最後の接近通過は3回に分けて行われ、2024年12月24日を皮切りに、2025年3月22日、6月19日と続きます。
特筆すべきは、この観測が太陽活動の「極大期」と重なることです。これにより、太陽活動周期の変化を包括的に観察できる貴重な機会となっています。
パーカー・ソーラー・プローブとは まとめ
パーカー・ソーラー・プローブの挑戦は、人類の宇宙探査の新たな章を開くものです。
その観測データは、太陽についての理解を深め、地球への影響をより正確に予測することを可能にするでしょう。
今後も続く観測の成果に、世界中の科学者たちが熱い視線を送っています。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。(^^♪