はじめに
真面目に働いてきた高齢者が、年金だけでは生活できない現実。
79歳の男性の言葉から、日本の社会保障制度が抱える深刻な課題を考察します。
年金制度の現状と実態
"この国は終わってるよ…〈年金月10万円〉〈時給1,280円〉週5のバイトで食いつなぐ79歳男性、年金減額と失業を前に嘆き「どう生きていけと」" – ゴールドオンライン #SmartNews https://t.co/cWQHStAEuX
— ダスライヒ (@5ipTb1OcNkB5k32) February 13, 2025
表面的な増額と実質的な目減り
2025年4月からの年金額改定では、老齢基礎年金が月額69,308円（前年比+1,308円）となりました。
モデル世帯（夫婦2人）では月額232,784円（前年比+4,412円）と、一見増額されたように見えます。
しかし、マクロ経済スライドの影響で、実質的には目減りしている状況です。物価上昇率を下回る増額率は、年金生活者の実質的な購買力低下を意味しています。
多様化する年金受給額の実態
現代の働き方の多様化を反映し、様々なケースの年金額が公表されました：
- 厚生年金中心の男性：月額173,457円
- 国民年金中心の男性：月額62,344円
- 厚生年金中心の女性：月額132,117円
- 国民年金中心の女性：月額60,636円
この格差は、働き方や加入期間によって生じる年金額の違いを如実に示しています。
79歳警備員の切実な現実
月10.3万円の年金生活
記事で紹介された西村さん（仮名・79歳）のケースは、現代日本の年金問題を象徴しています。
月額10.3万円の年金では生活が立ち行かず、79歳という高齢にもかかわらず、週5日・時給1,280円の警備員として働き続けなければならない現実があります。
年金納付記録の「落とし穴」
西村さんの年金額が低い背景には、30～40代時の勤務先で年金保険料が適切に徴収されていなかった事実があります。
当時の緩い管理体制と、年金に対する関心の低さが重なり、気づいたときには手遅れとなっていました。
高齢者雇用の厳しい現実
狭まる就職の選択肢
80歳を目前に控え、西村さんは現在の警備員の仕事を失う危機に直面しています。
「年齢不問」と募集要項にあっても、実際には年齢を理由に断られるケースが多く、新たな職を見つけることは容易ではありません。
生活維持の切実な課題
年金額の実質減額に加え、収入源となっていた仕事も失う可能性が高まる中、西村さんの「この国は終わっているよ」という言葉には、現代日本の社会保障制度に対する深い失望が込められています。
これからの日本に求められる対策
年金制度の見直しと強化
現行の年金制度では、多くの高齢者が十分な生活水準を維持できない現実があります。物価上昇に見合った実質的な年金支給額の確保や、低年金者への支援強化が求められます。
高齢者雇用の環境整備
高齢者が働きたい、働かざるを得ない状況において、年齢による差別のない雇用機会の創出や、高齢者の特性に配慮した働き方の整備が必要です。
「この国は終わっているよ」とは：まとめ
「この国は終わっているよ」という西村さんの言葉は、単なる個人の不満ではなく、日本の社会保障制度が直面している構造的な問題を指摘しています。
年金制度の抜本的な見直しと、高齢者が安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みが、今まさに求められています。
真面目に働いてきた人が、老後に困窮する事態を防ぐためにも、若い世代のうちから年金制度への関心を持ち、自身の将来設計を考えることの重要性も、この事例は教えてくれています。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪
