はじめに
私たちの生活に欠かせない「ヨウ素」。
甲状腺ホルモンの重要な構成成分として知られるこの元素は、実は日本が世界有数の生産国であり、特に千葉県は世界の供給源として重要な役割を果たしています。
今回は、このヨウ素について詳しく見ていきましょう。
ヨウ素とは何か?
日本は天然資源「ヨウ素」の世界的産地!千葉県の生産量が多いわけ | TRILL【トリル】 https://t.co/d1VNySctn3
— BULLET (@nbe222) February 19, 2025
ヨウ素は原子番号53の元素で、ハロゲン元素の一つです。常温では紫黒色の固体として存在し、昇華性があるのが特徴です。
名前の由来は、気体がすみれ色を示すことから、ギリシャ語で「すみれ色」を意味する「iôdês」に基づいています。
1811年にフランスの化学者ベルナール・クールトアによって海藻灰から発見されたヨウ素は、その後、様々な研究者によって性質が解明され、現在では工業、医療、農業など幅広い分野で利用されています。
ヨウ素の重要性
人体における役割
ヨウ素は人体にとって必須の元素です。特に甲状腺ホルモンの合成に不可欠で、新陳代謝の促進に重要な役割を果たしています。
日本人は海藻類を日常的に摂取するため、ヨウ素不足に陥ることは少ないものの、世界的には約16億人がヨウ素欠乏症の予備軍とされています。
産業における活用
ヨウ素の用途は実に多岐にわたります:
- 医療分野:消毒薬、レントゲン造影剤
- 工業分野:液晶ディスプレイの偏光フィルム
- 化学分野:合成化学触媒
- 光学分野:レーザー光線関連機器
日本のヨウ素生産
世界における日本の位置づけ
2016年度の統計によると、世界のヨウ素生産量は3万2800トンで、チリに次いで日本は第2位の生産国となっています。日本の生産量は1万300トンを記録し、そのうち約8割を千葉県が占めています。
千葉県が世界的産地である理由
千葉県がヨウ素の主要産地となっている背景には、南関東ガス田の存在があります。この地層には、ガスとヨウ素を豊富に含んだ地下水(かん水)が存在しています。
このかん水に含まれるヨウ素の濃度は海水の約2000倍にも達し、効率的な生産を可能にしています。
1934年に千葉県大多喜町で始まったヨウ素生産は、現在では千葉県単独で世界の生産量の4分の1を担うまでに成長しました。
今後の展望:まとめ
ヨウ素の需要は、医療技術の進歩やエレクトロニクス産業の発展に伴いますます高まっています。
特に新興国における医療インフラの整備や、ディスプレイ技術の革新により、需要の増加が見込まれています。
日本、特に千葉県のヨウ素生産は、世界のサプライチェーンにおいて重要な位置を占めています。
天然資源が比較的少ない日本において、ヨウ素は貴重な資源として、今後も国際市場で重要な役割を果たしていくことでしょう。
また、環境負荷の少ない持続可能な生産方法の開発や、新たな用途の研究開発も進められており、ヨウ素の可能性は今後さらに広がっていくと期待されています。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪















