はじめに
ソビエト連邦が開発した攻撃ヘリコプターMi-24は、その独特な設計思想と圧倒的な火力で、航空史に大きな足跡を残した機体です。
パイロットたちから愛情を込めて「クロコダイル」と呼ばれたこの機体の特徴と歴史について詳しく見ていきましょう。
開発背景と特徴
Cockpit footage from a pair of Ukrainian Mi-24 Hind gunships following a motorway to the front at extremely low altitude. pic.twitter.com/E3ZUUQMC0Q
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) December 16, 2024
1968年に開発が始まったMi-24は、当時としては画期的な「二重の役割」を持つヘリコプターとして設計されました。
強力な武装で地上を制圧しながら、同時に歩兵部隊を輸送できる能力を備えていたのです。まさに「空飛ぶ歩兵戦闘車」と言えるコンセプトでした。
特筆すべき特徴として:
- 完全武装した兵員8名の輸送が可能
- 最大1.5トンの物資搭載能力
- 12.7mm弾の直撃にも耐えられる頑丈なチタニウム製ローター
- 与圧された兵員室とコックピット(高高度飛行とNBC戦対応)
進化する戦闘能力
初期型のMi-24Aから、改良を重ねて生まれたMi-24D、さらに決定版となったMi-24Vまで、この機体は常に進化を続けました。
特に注目すべきは武装強化型のMi-24Pで、12.7mmガトリング機銃から30mm固定式機関砲への強化が図られました。
1995年に登場した最新型Mi-24VMでは:
- 軽量ファイバー製ローターの採用
- 夜間作戦能力の向上
- 全体的なパフォーマンスの改善
- メンテナンス性の向上
が実現されました。
世界での活躍
Mi-24の生産数は3,000機以上に達し、30カ国以上で運用されてきました。その頑丈な機体構造と高い信頼性は、世界中の軍事専門家から高い評価を受けています。
また、輸出型としてMi-25(Mi-24Dベース)やMi-35(Mi-24Vベース)といったバリエーションも開発され、国際市場でも成功を収めました。
Mi-24とは まとめ
Mi-24は、攻撃能力と輸送能力を両立させようという野心的な試みの結果として生まれました。
確かに、この二重の役割は完璧な折衷とはならなかったかもしれません。
しかし、その独特な設計思想と実戦での活躍は、後継機であるMi-28やKa-50/Ka-52の開発に大きな影響を与え、攻撃ヘリコプターの発展に重要な一石を投じたと言えるでしょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。(^^♪