はじめに
陸上自衛隊の施設科が運用する92式浮橋は、水上に浮かべて使用する特殊な架橋システムです。
その名の通り、水面に浮かぶ橋として、河川の水深に影響されることなく架設できる特徴を持っています。
今回は、東日本大震災の際にも活躍した陸上自衛隊の92式浮橋について、その特徴と運用方法を詳しく解説していきます。
92式浮橋のシステム構成
【ウクライナも渡河に苦労しているように、歩兵等により橋頭堡を作った後に、戦車や火砲等の重戦力を渡すには、橋をかけるか、川幅が広い時は浮橋しかない】
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) December 25, 2024
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92式浮橋は以下の主要な構成要素からなります:
- 橋間橋節:橋の本体部分
- 橋端橋節:橋の先端部分
- 動力ボート:浮橋の制御用
- 道路マット敷設装置:ぬかるんだ地面での車両走行をサポート
特徴的な運用方法
この浮橋システムは、非常に柔軟な運用が可能です:
- 固定橋として:両岸に固定して応急的な橋として使用
- 重門橋として:2〜3の橋節を連結してイカダ状に使用(90式戦車も搭載可能)
- 混合橋として:81式自走架柱橋などの他の架橋装備と組み合わせて使用
驚異の架橋能力
- 1セット:車両23台で編成
- 橋節部分:14両分
- 最大橋長:約104m(1セット使用時)
- 拡張性:全国配備の92式浮橋を組み合わせることで、さらなる延長が可能
災害派遣での活躍
2011年の東日本大震災では、第2施設団により宮城県東松島市で実戦投入されました。津波で流された橋の代替として、宮戸島への重機輸送に活躍しました。
92式浮橋とは まとめ
92式浮橋は、戦時の軍事作戦のみならず、災害時の救援活動でも重要な役割を果たす多目的な架橋システムです。
施設科の隊員たちは、いつ来るかわからない緊急事態に備えて、日々訓練に励んでいます。
浮橋という特殊な装備を通じて、陸上自衛隊の高い技術力と災害対応能力を垣間見ることができます。
平時の訓練があってこそ、緊急時の確実な対応が可能となるのです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。(^^♪