はじめに
アメリカの政治において頻繁に議論される「ディープステート」。
この言葉は、選挙で選ばれていない連邦政府職員が隠然たる権力を持ち、民主的に選ばれた指導者の政策を妨害しているという考えを表しています。
しかし、実際のところ、ディープステートとは何なのでしょうか。
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ディープステートの定義と起源
トランプ大統領が一掃しようとしているDS(ディープステート)の仕組みがこれ。pic.twitter.com/rX98hzVpez
— さいたま (@saitama_5992) February 3, 2025
「ディープステート」という言葉は、もともと1990年代のトルコで生まれた概念です。
アメリカでは、オバマ政権時代から使用され始め、トランプ前大統領が政敵を指す言葉として使用したことで広く普及しました。
現在では、主にCIAやFBIなどの連邦機関と金融・産業界の上層部が形成する非公式なネットワークを指す言葉として使われています。
2017年と2018年の世論調査では、アメリカ国民の約半数がディープステートの存在を信じているとされています。
連邦職員の実態
給与と待遇
連邦職員の平均給与は一般のアメリカ人よりも高水準にあります。
社会保障局によると、一般的なアメリカ人の平均給与が66,622ドルであるのに対し、多くの連邦機関では10万ドルを超えています。
特に証券取引委員会(SEC)では平均給与が213,844ドルに達します。
職務への姿勢
しかし、連邦職員たちは単なる高給取りではありません。彼らの多くは、憲法を守ることを第一の責務と考えています。
ある連邦職員は「私たちは憲法に対して宣誓したのであって、大統領に対してではない」と述べています。
トランプ政権との対立
早期退職の圧力
トランプ政権は、連邦政府の「改革」の一環として、200万人を超える連邦職員に早期退職を促しています。
これに対し、多くの職員が強い反発を示しています。退役軍人保健局の職員は、現場の士気が「きわめて低い」と証言しています。
イデオロギー的な対立
トランプ支持者たちは、連邦職員を「怠慢で無能」と批判し、高給を問題視しています。一方、連邦職員たちは、自分たちが憲法と法の支配を守る重要な役割を担っていると主張します。
今後の展望:まとめ
トランプ政権は政府予算の大幅な削減を目指しており、財務省のデータによれば、2022年度の連邦政府の歳出総額6兆7500億ドルの約3分の1を削減する計画があります。
しかし、連邦職員たちは、違法な命令には従わないという姿勢を崩していません。
メリーランド州の移民業務局職員が述べたように、「この国の政府は人民の、人民による、人民のためのものである」という信念を持ち続けています。
結局のところ、「ディープステート」は、政治的対立を単純化した表現であり、実際の連邦政府職員たちの複雑な立場や役割を正確に反映していないと言えるでしょう。
彼らの多くは、政治的イデオロギーではなく、法と憲法に基づいて職務を遂行しようとしている専門家たちなのです。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪