はじめに
SNSを悪用した犯罪が深刻化する中、政府は犯罪防止策として「仮装身分捜査」を導入する方針を決定しました。
本記事では、その詳細や期待される効果、法的課題について解説します。
目次
仮装身分捜査とは?
【事件抑止へ】捜査員が闇バイト募集に応じ架空の人物になりすまして潜入、「仮装身分捜査」の導入を検討 警察庁https://t.co/8WcWOhdZax pic.twitter.com/DCVllawMwj
— ライブドアニュース (@livedoornews) December 5, 2024
「仮装身分捜査」とは、捜査員が架空の身分証を使い、違法な「闇バイト」などの犯罪グループに潜入して摘発を目指す捜査手法です。
従来の「おとり捜査」とは異なり、犯罪を誘発するのではなく、犯罪グループに接触して未然に防ぐことを目的としています。
背景と必要性
最近、SNS上で「闇バイト」に応募し、犯罪に加担する事件が相次いでいます。
多くの場合、応募者は秘匿性の高い通信アプリへ誘導され、個人情報を悪用されて脅されるケースが増加。
このため、政府は潜入捜査による積極的な対策を決定しました。
仮装身分捜査の具体的な手法
捜査員の潜入プロセス
- 架空の身分証作成: 捜査員が偽の身分証明書を使って「闇バイト」に応募。
- 犯罪グループへの接触: 指示役との接触を通じ、犯罪の実態を把握。
- 犯罪未然防止: 犯行が起きる前に摘発。
従来の「おとり捜査」との違い
- おとり捜査: 捜査員が犯罪を誘発する手法(薬物や銃器犯罪で限定的に実施)。
- 仮装身分捜査: 犯罪を誘発せず、潜入して情報収集を行う。
法的根拠と課題
「仮装身分捜査」は、公文書偽造に該当する可能性がありますが、刑法では「法令または正当な業務による行為は罰しない」と規定されています。
警察庁はこれを根拠に、現行法内での適用が可能と判断しました。
想定される課題
- 捜査員の安全: 犯罪組織との接触はリスクが高いため、安全対策が必要。
- プライバシー問題: SNS事業者への捜査協力依頼には、個人情報保護とのバランスが求められます。
- 捜査運用の透明性: 運用指針の明確化が重要です。
SNS犯罪対策のさらなる強化策
SNS上の求人規制
- 求人投稿の明確化: 業務内容、氏名、住所などを記載しない投稿を違法と明確化。
- 本人確認の強化: アカウント開設時に携帯番号登録を義務化。
SNS事業者への対応強化
- ガイドライン策定: 総務省がSNS事業者に違法な投稿削除を要請。
- 啓発活動の推進: ユーザーへの注意喚起を強化。
仮装身分捜査とは まとめ
仮装身分捜査は、SNS犯罪撲滅のための画期的な捜査手法として期待されています。
犯罪の未然防止と違法求人の取り締まりを強化することで、安全なインターネット環境の構築を目指します。
今後の法整備と運用の進展に注目が集まります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。(^^♪