はじめに
地球近傍小惑星の観測と追跡において、新たな注目すべき展開が起きています。
2024年末に発見された小惑星「2024 YR4」が、観測史上最も高い地球衝突確率を記録し、天文学界に緊張が走っています。
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発見からこれまでの経緯
7年後に地球衝突の可能性、また上昇? 新発見の小惑星 https://t.co/QMCNGW47zm
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) February 20, 2025
2024年12月27日、チリのコキンボ州に設置された小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS-CHL)によって発見された「2024 YR4」。
発見当初から地球軌道と交差する軌道を持つことが判明し、専門家たちの注目を集めてきました。
この小惑星は、地球近傍小惑星(NEO)のアポロ群に分類され、約4年周期で地球に接近する軌道を描いています。
特に2032年12月22日の接近が注目されており、NASA(アメリカ航空宇宙局)やESA(欧州宇宙機関)による継続的な観測と分析が行われています。
衝突リスク評価の推移と現状
史上最高の衝突確率を記録
2025年2月に入ってからの観測で、2024 YR4の地球衝突確率は一時3.1%まで上昇し、かつて最も危険とされた小惑星アポフィス(2004年、衝突確率2.7%)を上回る数値を記録しました。これは観測史上、最も高い衝突確率となります。
最新の評価と今後の見通し
しかし、その後の観測データの蓄積により、2月20日時点での衝突確率は1.5%(約67分の1)まで低下しています。専門家らは、さらなる観測によってこの確率は変動する可能性があると指摘しています。
小惑星の物理的特徴と潜在的影響
サイズと構造
- 推定直径:40〜90メートル
- 自転周期:約19.5分
- 構成:石質(S型、L型、またはK型小惑星の可能性)
この小惑星は、1908年のツングースカ大爆発を引き起こした天体とほぼ同じ大きさと推定されています。
潜在的な衝突の影響
仮に地球に衝突した場合、TNT換算で7.8メガトン相当のエネルギーを放出する可能性があります。
これは2013年のチェリャビンスク隕石の約14倍の規模に相当し、局地的に深刻な被害をもたらす可能性があります。
今後の観測と対応:まとめ
現在、2024 YR4は小惑星衝突リスクを評価する「トリノスケール」で「3」と評価されています。これは、天文学者による詳細な観測と分析が必要とされるレベルです。
しかし、専門家らは楽観的な見方を示しています。これまでの経験から、詳細な観測が進むにつれて、最終的には地球との衝突リスクは大幅に低下する、もしくはゼロになる可能性が高いと予測されています。
2024 YR4の発見と観測は、地球近傍小惑星の監視システムが効果的に機能していることを示す好例となっています。
今後も継続的な観測と分析により、より正確な軌道予測が可能になることが期待されます。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪