確定申告で医療費控除を受けるやり方完全ガイド|対象条件・計算方法・e-Tax手順までわかりやすく解説

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はじめに

医療費が多くかかった年は、確定申告で医療費控除を受けることで税金が戻ってくる可能性があります。しかし、「どんな医療費が対象なの?」「いくら戻ってくるの?」「確定申告って難しそう」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、医療費控除の基本的な仕組みから、対象となる費用の具体例、還付金の計算方法、確定申告の手順まで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。この記事を読めば、医療費控除を正しく理解し、確実に節税効果を得ることができるようになります。

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医療費控除とは?確定申告が必要な人・不要な人をまず確認

医療費控除を受けるためには確定申告が必要ですが、そもそも誰が対象になるのでしょうか。まずは基本的な仕組みと、ご自身が申告すべきかどうかを確認しましょう。

医療費控除の基本的な仕組み

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた金額を所得から差し引くことができる制度です。これにより課税対象となる所得が減少し、結果として所得税や住民税が軽減されます。

対象となる期間は、1月1日から12月31日までの1年間です。この期間に実際に支払った医療費が対象となります。未払いの医療費は、実際に支払った年の医療費として計上します。

医療費控除の対象となるのは、自分自身の医療費だけでなく、生計を一にする家族の医療費も含めることができます。例えば、夫婦と子どもの医療費をすべて合算して申告することが可能です。これにより、家族全体の医療費が多い場合、大きな節税効果が期待できます。

控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。年末調整では医療費控除を受けることができないため、会社員の方でも確定申告を行う必要があります。

医療費控除は、支払った医療費がそのまま戻ってくるわけではありません。医療費から一定額を差し引いた金額が所得控除として認められ、その分にかかる所得税と住民税が軽減されるという仕組みです。具体的な還付額については後ほど詳しく説明します。

医療費控除で確定申告が必要になる人

医療費控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

まず、1年間に支払った医療費の合計が、原則として10万円を超えていることが条件です。ただし、総所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額の5%を超えれば対象となります。

例えば、年収300万円の方であれば、医療費が10万円を超えた分が控除対象となります。一方、年収180万円の方であれば、総所得金額が約120万円程度となるため、その5%である6万円を超えた分が控除対象です。

医療費控除を受けられる主な対象者は以下の通りです。

  • 自分や家族が大きな病気や怪我で医療費が高額になった方
  • 継続的な通院や投薬が必要な持病がある方
  • 歯科治療で高額な治療費を支払った方
  • 出産費用が多くかかった方
  • 複数の家族の医療費を合算すると10万円を超える方

医療費控除は任意の制度であり、申告しなくても罰則はありません。ただし、申告しなければ控除を受けることはできないため、対象となる方は確実に申告することをおすすめします。

会社員でも医療費控除で申告が必要な理由

会社員の方は通常、年末調整で税金の精算が完了するため、確定申告をする必要がありません。しかし、医療費控除については年末調整では対応できないため、確定申告が必要となります。

これは、医療費控除が個人の医療費の支出状況に応じて適用される制度であり、会社側では把握しきれない情報が必要になるためです。医療費の領収書や明細書を基に、納税者自身が税務署に申告する必要があります。

会社員の方でも、以下のような場合は医療費控除のために確定申告をすることになります。

  • 年間の医療費が10万円を超えた場合(または総所得金額の5%を超えた場合)
  • 家族全員の医療費を合算すると控除対象額に達する場合
  • 高額な歯科治療や出産費用が発生した場合

確定申告と聞くと難しく感じるかもしれませんが、現在は国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、画面の指示に従って入力するだけで簡単に申告書を作成できます。また、e-Taxを利用すれば、自宅から申告を完了させることも可能です。

医療費控除の確定申告は、通常の確定申告期間(2月16日から3月15日)だけでなく、還付申告として1月1日から提出できます。早めに申告すれば、還付金の受け取りも早くなります。

医療費が10万円以下でも対象になるケース

医療費控除は「10万円を超えた分が対象」と覚えている方が多いですが、実は10万円以下でも控除を受けられるケースがあります。

最も重要なのが、総所得金額が200万円未満の方の場合です。この場合、医療費の足切りラインが「総所得金額の5%」となります。

具体的な例で見てみましょう。

年収180万円の方の場合 給与所得控除後の総所得金額は約114万円となります。この5%は約5.7万円ですので、医療費が5.7万円を超えれば、超えた分が控除対象となります。例えば、医療費が8万円であれば、約2.3万円が控除額となります。

年収150万円の方の場合 給与所得控除後の総所得金額は約90万円となり、その5%は4.5万円です。医療費が7万円であれば、2.5万円が控除対象となります。

このように、収入が少ない方ほど医療費控除を受けやすい仕組みになっています。パートやアルバイトで働いている方、年金生活者の方なども、年間の医療費が10万円に達していなくても、一度計算してみる価値があります。

また、セルフメディケーション税制という別の制度もあります。これは、特定の市販薬の購入費用が年間12,000円を超えた場合に、超えた金額(上限88,000円)を所得控除できる制度です。通常の医療費控除とは選択制となりますが、医療費が10万円に達しない方でも利用できる可能性があります。

家族分の医療費をまとめて申告できる条件

医療費控除の大きなメリットの一つが、家族分の医療費をまとめて申告できることです。ただし、誰の医療費でも無条件にまとめられるわけではなく、一定の条件があります。

生計を一にする家族の医療費が対象

医療費控除でまとめて申告できるのは、「生計を一にする」配偶者やその他の親族の医療費です。「生計を一にする」とは、同じ家計で生活していることを意味します。

必ずしも同居している必要はありません。例えば、以下のようなケースも「生計を一にする」と認められます。

  • 大学生の子どもが一人暮らしをしているが、親が仕送りをしている場合
  • 別居している親に生活費を仕送りしている場合
  • 単身赴任中の配偶者の医療費

逆に、同居していても経済的に独立している場合は対象外となります。例えば、成人した子どもが独自に収入を得て、家計を完全に分けている場合などです。

誰が申告するかは選べる

家族の中で誰が医療費控除を申告するかは、自由に選ぶことができます。通常は、最も所得が高い人が申告すると、還付額が大きくなります。これは、所得税率が高い人ほど、同じ控除額でも減税効果が大きくなるためです。

例えば、夫の所得税率が20%、妻の所得税率が10%の場合、同じ医療費控除額でも、夫が申告した方が還付額は2倍になります。

ただし、以下のような例外的なケースもあります。

  • 所得が少ない人が申告した方が、総所得金額の5%のラインが低くなり、控除額が大きくなる場合
  • ふるさと納税など他の控除との兼ね合いで、所得が低い人が申告した方が有利になる場合

共働き夫婦の場合の注意点

共働き夫婦の場合、それぞれが自分の医療費を申告することはできません。家族全員の医療費をまとめて、どちらか一方が申告する必要があります。

また、夫婦それぞれが自分の医療費控除を申告することもできません。重複して控除を受けることはできないため、事前にどちらが申告するか決めておきましょう。

実務的には、源泉徴収票を見比べて、所得税率が高い方が申告するのが一般的です。ただし、家族構成や他の控除の状況によって最適解は変わるため、場合によっては税理士に相談するのも一つの方法です。

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医療費控除の対象になる費用・ならない費用を具体例で解説

医療費控除を受けるために最も重要なのが、どの費用が対象になり、どの費用が対象外なのかを正しく理解することです。具体的な事例を通じて確認していきましょう。

医療費控除の対象になる主な医療費

医療費控除の対象となるのは、「治療」を目的とした費用が基本です。以下が主な対象となる医療費です。

診療費・治療費

  • 医師による診察や治療の費用
  • 入院費用(入院中の食事代も含む)
  • 手術費用
  • 検査費用(病気の診断や治療のために必要なもの)
  • レントゲン撮影費用

薬代

  • 医師が処方した処方箋による薬代
  • 治療のために購入した市販薬(風邪薬、胃腸薬、痛み止めなど)
  • 薬局で購入した医薬品(ただし予防目的は除く)

入院・通院関連費用

  • 入院時の部屋代(個室料金は必要に応じた場合のみ)
  • 入院中の食事代(病院から提供されるもの)
  • 通院のための交通費(公共交通機関の運賃)

歯科治療費

  • 虫歯治療
  • 抜歯
  • 歯周病治療
  • 入れ歯の製作費用
  • 金歯、セラミック、インプラントなどの治療(一般的な治療に該当するもの)
  • 発育段階の子どもの歯列矯正

出産関連費用

  • 妊婦健診の費用
  • 出産費用(分娩費、入院費)
  • 不妊治療の費用
  • 人工授精、体外受精の費用

その他の医療費

  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師による施術費用(治療目的)
  • 柔道整復師による施術費用(治療目的)
  • 介護保険の対象となる一部の介護サービス費用
  • 義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用
  • 6か月以上寝たきりの方のおむつ代(医師の証明書が必要)

これらの費用は、実際に支払った金額が対象となります。クレジットカードで支払った場合でも、その年のうちに決済が完了していれば、その年の医療費として計上できます。

通院の交通費・薬代はどこまで認められる?

医療費控除では、治療費だけでなく、通院のための交通費も対象となります。ただし、すべての交通費が認められるわけではないため、注意が必要です。

認められる交通費

電車やバスなどの公共交通機関の運賃は、医療費控除の対象となります。領収書がない場合でも、通院日と交通費の記録をメモしておけば申告できます。実際に、確定申告では「通院記録表」として、日付、行先、交通手段、金額を記録したメモでも認められています。

タクシー代も、以下のような場合は対象となります。

  • 病状により公共交通機関の利用が困難な場合(足を骨折している、陣痛が始まったなど)
  • 公共交通機関がない時間帯や場所での通院
  • 小さな子どもの通院で、親が付き添う必要がある場合のタクシー代

認められない交通費

一方、以下のような交通費は医療費控除の対象外です。

  • 自家用車で通院した場合のガソリン代、駐車場代、高速道路料金
  • 単に便利だからという理由でのタクシー利用
  • 新幹線や飛行機での移動費用(遠方の病院でしか治療できない特別な場合を除く)

薬代の扱い

医師が処方した処方箋による薬代は、もちろん医療費控除の対象です。調剤薬局で支払った金額がそのまま対象となります。

市販薬については、治療目的で購入したものであれば対象となります。例えば、風邪をひいて風邪薬を購入した場合、胃が痛くて胃腸薬を購入した場合などです。

ただし、以下のような薬代は対象外となります。

  • ビタミン剤やサプリメント(治療目的でない場合)
  • 予防目的の漢方薬やサプリメント
  • 美容目的の医薬品
  • 栄養ドリンク(疲労回復目的など)

市販薬を購入した際は、レシートや領収書を必ず保管しておきましょう。レシートには品名が記載されているため、後で確認する際に役立ちます。

なお、セルフメディケーション税制を利用する場合は、対象となる市販薬が限定されます。パッケージに「セルフメディケーション税制対象」のマークがついている製品が該当します。

歯科治療・矯正・インプラントの扱い

歯科治療は高額になることが多く、医療費控除の対象として申告されるケースが多い項目です。ただし、すべての歯科治療が対象となるわけではありません。

対象となる歯科治療

一般的な歯科治療のほとんどは医療費控除の対象です。

  • 虫歯の治療費
  • 歯周病の治療費
  • 抜歯の費用
  • 入れ歯の製作費用
  • 詰め物(銀歯、金歯、セラミックなど)
  • クラウン(被せ物)の費用
  • ブリッジの費用
  • 根管治療(神経の治療)

インプラント治療

インプラント治療は、一般的に医療費控除の対象となります。ただし、治療目的である必要があり、審美目的のみの場合は対象外となる可能性があります。

インプラント治療は高額なため、医療費控除を受けることで大きな節税効果が期待できます。例えば、インプラント治療に50万円かかった場合、所得税率20%の方であれば、約8万円の所得税が還付される可能性があります(他の医療費がない場合)。

歯列矯正

歯列矯正については、以下のように扱いが分かれます。

対象となるケース:

  • 発育段階にある子どもの成長を阻害しないための歯列矯正
  • 噛み合わせが悪く、咀嚼障害があるための矯正治療
  • 医師が治療上必要と診断した矯正

対象外となるケース:

  • 成人の美容目的の歯列矯正
  • 審美目的のみの矯正治療

実際には、子どもの矯正治療はほとんどが対象となり、成人の矯正治療は慎重に判断されることが多いです。歯科医に「治療目的」である旨の診断書を書いてもらうことで、認められやすくなります。

審美歯科・ホワイトニング

美容目的の審美歯科治療やホワイトニングは、医療費控除の対象外です。これらは治療ではなく、美容を目的とした施術とみなされるためです。

同様に、美容を目的とした歯のクリーニング(PMTC)も対象外です。ただし、歯周病治療の一環として行われる歯石除去やクリーニングは対象となります。

出産・不妊治療・妊婦健診は対象になる?

出産や不妊治療に関連する費用も、医療費控除の対象となります。出産を控えている方や、妊活中の方は、しっかりと理解しておきましょう。

出産費用

出産に関する以下の費用は、医療費控除の対象です。

  • 妊婦健診の費用(定期検診、血液検査、超音波検査など)
  • 出産費用(分娩費、入院費)
  • 入院中の食事代(病院から提供されるもの)
  • 出産のための通院交通費
  • 出産で入院する際のタクシー代(陣痛が始まった場合など)

出産育児一時金(42万円)を受け取った場合は、その金額を医療費から差し引く必要があります。例えば、出産費用が50万円で、出産育児一時金を42万円受け取った場合、医療費控除の対象となるのは8万円です。

ただし、出産育児一時金は出産費用にのみ充てたものとして計算します。妊婦健診の費用や通院交通費からは差し引く必要はありません。

不妊治療

不妊治療に関する費用も、医療費控除の対象です。

  • 不妊検査の費用
  • 人工授精の費用
  • 体外受精の費用
  • 顕微授精の費用
  • 不妊治療のための薬代
  • 不妊治療のための通院交通費

不妊治療は高額になることが多く、年間で100万円以上かかるケースもあります。このような場合、医療費控除による節税効果は非常に大きくなります。

不妊治療には、各自治体から助成金が支給されることがあります。助成金を受け取った場合は、その金額を医療費から差し引いて申告します。

対象外となる費用

一方、以下のような費用は医療費控除の対象外です。

  • 里帰り出産のための帰省費用
  • 入院時の個室料金(希望による場合)
  • 入院中の身の回り品の購入費用
  • 新生児用品の購入費用
  • 出産祝いの品代
  • 産後ケアセンターの利用料(医師の指示がない場合)

また、妊娠検査薬の購入費用は、妊娠が判明する前のものは対象外となることが一般的です。ただし、不妊治療の一環として医師の指示で使用する場合は、対象となる可能性があります。

医療費控除の対象外になりやすい費用例

医療費控除は「治療」を目的とした費用が対象ですが、予防や美容を目的とした費用は対象外となります。申告する際に除外すべき費用を確認しておきましょう。

健康診断・人間ドック

定期的な健康診断や人間ドックの費用は、原則として医療費控除の対象外です。これらは病気の治療ではなく、予防や早期発見を目的としているためです。

ただし、健康診断で重大な疾病が見つかり、引き続き治療を受けた場合は、その健康診断の費用も医療費控除の対象となります。例えば、人間ドックでがんが発見され、その後治療を開始した場合、人間ドックの費用も医療費として計上できます。

予防接種

インフルエンザの予防接種など、病気の予防を目的とした費用は医療費控除の対象外です。

ただし、医師の診断により治療の一環として受けた予防接種は対象となる場合があります。例えば、免疫不全の患者が医師の指示で特定のワクチンを接種する場合などです。

美容整形・美容医療

美容を目的とした施術は、医療費控除の対象外です。

  • 二重まぶたの手術
  • 脂肪吸引
  • ヒアルロン酸注射
  • ボトックス注射(美容目的)
  • レーシック手術の一部(視力回復目的でも、美容性が高い場合)
  • 美白目的の治療

ただし、事故や病気の治療のための美容外科手術は対象となります。例えば、交通事故で顔に傷を負い、その修復手術を受けた場合などです。

差額ベッド代

入院時の個室料金(差額ベッド代)は、原則として医療費控除の対象外です。これは患者の希望による費用とみなされるためです。

ただし、以下のような場合は対象となります。

  • 医師の指示により個室が必要な場合
  • 病状により個室での治療が必要な場合
  • 感染症などで隔離が必要な場合

この場合、医師の証明書があると確実です。

マッサージ・整体

単なる疲労回復やリラクゼーション目的のマッサージや整体は、医療費控除の対象外です。

ただし、医師の指示によるマッサージや、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などの有資格者による治療目的の施術は対象となります。

サプリメント・健康食品

ビタミン剤、サプリメント、健康食品、漢方薬などは、原則として医療費控除の対象外です。これらは治療ではなく、健康増進や予防を目的としているためです。

ただし、医師の処方により治療のために服用する漢方薬は、医療費控除の対象となります。

その他の対象外費用

  • メガネ、コンタクトレンズの購入費用(近視、遠視、乱視など一般的な視力矯正目的)
  • 補聴器の購入費用(一般的な加齢による難聴の場合。ただし医師の治療として必要な場合は対象)
  • 自己都合による入院時の付添人の費用
  • 自家用車での通院のガソリン代、駐車場代
  • 医師等への謝礼金

判断に迷う場合は、「治療目的かどうか」という基準で考えると良いでしょう。予防や美容、快適性の向上を目的とした費用は対象外となります。

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医療費控除はいくら戻る?計算方法と還付額シミュレーション

医療費控除を申告すると、実際にどれくらいの金額が戻ってくるのでしょうか。計算方法を理解して、ご自身のケースをシミュレーションしてみましょう。

医療費控除額の基本的な計算式

医療費控除の計算は、以下の式で行います。

医療費控除額 = (1年間に支払った医療費の総額 – 保険金などで補填される金額) – 10万円(または総所得金額の5%)

この計算で算出された金額が、所得から差し引かれる控除額となります。ただし、医療費控除の上限は200万円です。

具体例で見てみましょう。

例1:医療費30万円、保険金なしの場合 医療費控除額 = 30万円 – 0円 – 10万円 = 20万円

この20万円が所得から差し引かれます。

例2:医療費50万円、保険金20万円を受け取った場合 医療費控除額 = 50万円 – 20万円 – 10万円 = 20万円

保険金を受け取った場合は、その金額を差し引いて計算します。

例3:年収180万円の方で医療費15万円の場合 この方の総所得金額は約114万円となり、その5%は約5.7万円です。 医療費控除額 = 15万円 – 0円 – 5.7万円 = 9.3万円

総所得金額が200万円未満の場合は、10万円ではなく総所得金額の5%を差し引きます。

重要なのは、この控除額がそのまま戻ってくるわけではないということです。控除額に所得税率を掛けた金額が、実際の還付金額となります。

還付金の計算式 還付される所得税 = 医療費控除額 × 所得税率

さらに、翌年度の住民税も軽減されます。住民税の税率は一律10%です。

住民税の軽減額 = 医療費控除額 × 10%

保険金・高額療養費を受け取った場合の計算方法

医療費の一部を保険金や高額療養費で補填した場合は、その金額を差し引いて計算する必要があります。ただし、差し引き方にはルールがあるため、注意が必要です。

補填される金額に含まれるもの

以下のような給付金や保険金は、医療費から差し引く必要があります。

  • 生命保険や医療保険からの入院給付金、手術給付金
  • 健康保険から支給される高額療養費
  • 出産育児一時金
  • 傷病手当金
  • 損害保険からの医療費補償
  • 会社からの見舞金(医療費補填目的のもの)

差し引き方の重要なルール

保険金などは、それが補填する目的となった医療費からのみ差し引きます。他の医療費から差し引く必要はありません。

例を見てみましょう。

例:医療費の内訳が複数ある場合

  • 入院・手術費用:40万円(入院給付金30万円を受給)
  • 通院治療費:15万円(保険金なし)
  • 家族の歯科治療費:20万円(保険金なし)

合計医療費:75万円

この場合、入院給付金30万円は入院・手術費用の40万円からのみ差し引きます。

計算: 対象医療費 = (40万円 – 30万円)+ 15万円 + 20万円 = 45万円 医療費控除額 = 45万円 – 10万円 = 35万円

入院給付金が入院費用を上回る場合でも、マイナスにはなりません。その場合は、その医療費をゼロとして計算します。

例:保険金が医療費を上回る場合

  • 入院費用:20万円(入院給付金30万円を受給)
  • 通院費用:15万円

この場合、入院費用は20万円 – 30万円 = -10万円ですが、マイナスにはせず、ゼロとして扱います。通院費用15万円からは引きません。

対象医療費 = 0円 + 15万円 = 15万円 医療費控除額 = 15万円 – 10万円 = 5万円

高額療養費の扱い

高額療養費制度により、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻されます。この払い戻し金額も、医療費から差し引く必要があります。

ただし、高額療養費は申請から払い戻しまで数か月かかることがあります。確定申告の時点で受け取っていない場合でも、受け取ることが確定していれば、その金額を差し引いて計算します。

出産育児一時金の扱い

出産育児一時金(42万円)は、出産費用からのみ差し引きます。妊婦健診の費用や通院交通費からは差し引く必要はありません。

例:

  • 出産費用:50万円
  • 妊婦健診:10万円
  • 通院交通費:2万円

出産育児一時金:42万円

計算: 対象医療費 = (50万円 – 42万円)+ 10万円 + 2万円 = 20万円 医療費控除額 = 20万円 – 10万円 = 10万円

所得によって異なる控除額の考え方

医療費控除の効果は、所得税率によって大きく変わります。所得が高い人ほど、同じ医療費控除額でも還付金が多くなります。

所得税率と還付金の関係

所得税率は、課税所得金額に応じて以下のように段階的に設定されています。

  • 課税所得195万円以下:5%
  • 課税所得195万円超~330万円以下:10%
  • 課税所得330万円超~695万円以下:20%
  • 課税所得695万円超~900万円以下:23%
  • 課税所得900万円超~1,800万円以下:33%
  • 課税所得1,800万円超~4,000万円以下:40%
  • 課税所得4,000万円超:45%

例えば、医療費控除額が20万円の場合、所得税率によって還付額は以下のように変わります。

  • 所得税率5%の場合:20万円 × 5% = 1万円
  • 所得税率10%の場合:20万円 × 10% = 2万円
  • 所得税率20%の場合:20万円 × 20% = 4万円
  • 所得税率33%の場合:20万円 × 33% = 6.6万円

さらに、住民税も一律10%軽減されるため、20万円の控除額であれば、翌年度の住民税が2万円安くなります。

共働き夫婦はどちらが申告すべきか

共働き夫婦の場合、所得が高い方が医療費控除を申告した方が、還付額が大きくなります。

例:医療費控除額30万円の場合

  • 夫(所得税率20%)が申告:所得税還付6万円 + 住民税軽減3万円 = 合計9万円
  • 妻(所得税率10%)が申告:所得税還付3万円 + 住民税軽減3万円 = 合計6万円

この場合、夫が申告した方が3万円お得になります。

ただし、以下のような例外もあります。

例外1:総所得金額200万円未満の場合 妻の年収が低く、総所得金額が200万円未満の場合、医療費の足切りラインが10万円ではなく、総所得金額の5%になります。

例:

  • 夫の総所得金額:500万円(足切りライン10万円)
  • 妻の総所得金額:150万円(足切りライン7.5万円)

医療費総額:15万円

夫が申告する場合:15万円 – 10万円 = 5万円(控除額) 妻が申告する場合:15万円 – 7.5万円 = 7.5万円(控除額)

控除額は妻の方が大きくなります。ただし、夫の所得税率が高ければ、還付額は夫の方が多くなる可能性もあります。それぞれ計算して比較する必要があります。

例外2:他の控除との兼ね合い ふるさと納税や住宅ローン控除などで、すでに所得税が大幅に減額されている場合、医療費控除を追加しても還付額が増えないことがあります。この場合、所得が低い方が申告した方が有利になることもあります。

医療費別|還付金額の目安シミュレーション

具体的な医療費額と年収別に、還付金の目安をシミュレーションしてみましょう。ここでは、単身者で基礎控除と社会保険料控除のみを考慮した簡易計算を示します。

医療費20万円の場合

医療費控除額:20万円 – 10万円 = 10万円

年収300万円(所得税率5%)の場合:

  • 所得税還付:10万円 × 5% = 5,000円
  • 住民税軽減:10万円 × 10% = 10,000円
  • 合計:15,000円

年収400万円(所得税率5%~10%)の場合:

  • 所得税還付:10万円 × 10% = 10,000円
  • 住民税軽減:10万円 × 10% = 10,000円
  • 合計:20,000円

年収600万円(所得税率20%)の場合:

  • 所得税還付:10万円 × 20% = 20,000円
  • 住民税軽減:10万円 × 10% = 10,000円
  • 合計:30,000円

医療費50万円の場合

医療費控除額:50万円 – 10万円 = 40万円

年収400万円(所得税率10%)の場合:

  • 所得税還付:40万円 × 10% = 40,000円
  • 住民税軽減:40万円 × 10% = 40,000円
  • 合計:80,000円

年収600万円(所得税率20%)の場合:

  • 所得税還付:40万円 × 20% = 80,000円
  • 住民税軽減:40万円 × 10% = 40,000円
  • 合計:120,000円

年収800万円(所得税率23%)の場合:

  • 所得税還付:40万円 × 23% = 92,000円
  • 住民税軽減:40万円 × 10% = 40,000円
  • 合計:132,000円

医療費100万円の場合(高額医療費)

医療費控除額:100万円 – 10万円 = 90万円

年収600万円(所得税率20%)の場合:

  • 所得税還付:90万円 × 20% = 180,000円
  • 住民税軽減:90万円 × 10% = 90,000円
  • 合計:270,000円

年収1,000万円(所得税率33%)の場合:

  • 所得税還付:90万円 × 33% = 297,000円
  • 住民税軽減:90万円 × 10% = 90,000円
  • 合計:387,000円

このように、医療費が高額になるほど、また所得が高いほど、還付金額も大きくなります。医療費が多くかかった年は、必ず医療費控除の申告をすることをおすすめします。

医療費控除と住民税の関係

医療費控除は、所得税だけでなく住民税にも影響します。住民税の軽減効果についても理解しておきましょう。

住民税の軽減額

住民税の税率は、所得にかかわらず一律10%です(正確には、都道府県民税4%、市区町村民税6%)。医療費控除を受けると、控除額の10%が翌年度の住民税から軽減されます。

例:医療費控除額が30万円の場合 翌年度の住民税軽減額:30万円 × 10% = 30,000円

住民税は、前年の所得に基づいて計算され、翌年の6月から1年間かけて支払います。医療費控除を申告すると、その翌年度(申告の年の6月以降)の住民税が安くなります。

所得税と住民税の還付・軽減のタイミング

所得税の還付金は、確定申告後1か月から1か月半程度で指定した口座に振り込まれます。

一方、住民税は還付金として振り込まれるのではなく、翌年度の納付額が減額される形で反映されます。

例:2024年分の医療費控除を2025年3月に申告した場合

  • 所得税の還付:2025年4月~5月頃に振込
  • 住民税の軽減:2025年6月以降に納付する住民税が減額

住民税の納付方法は、給与天引き(特別徴収)の場合と、自分で納付(普通徴収)の場合で異なります。

給与天引きの場合:2025年6月から2026年5月までの毎月の天引き額が減額されます。 自分で納付の場合:2025年度の納付書の金額が減額されます。

住民税の非課税世帯の場合

所得が少なく、住民税が非課税の世帯の場合、医療費控除を申告しても住民税の軽減効果はありません。所得税についても、納税額がない場合は還付もありません。

ただし、医療費控除を申告することで、保育料や国民健康保険料などの算定に影響する場合があります。これらは住民税の課税所得を基準に計算されることが多いため、医療費控除を申告することで負担が軽減される可能性があります。

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確定申告で医療費控除を受けるために必要な書類一覧

医療費控除の確定申告には、いくつかの書類が必要です。事前に準備しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

医療費控除で必要な書類チェックリスト

医療費控除の確定申告で必要となる主な書類は以下の通りです。

必ず必要な書類

  1. 確定申告書 税務署で入手するか、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成します。
  2. 医療費控除の明細書 2017年分の確定申告から、領収書の提出に代えて「医療費控除の明細書」の提出が必要になりました。国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
  3. 源泉徴収票 会社員の方は、勤務先から発行される源泉徴収票が必要です。現在は提出不要ですが、内容を確定申告書に転記するため、手元に用意しておきます。
  4. マイナンバーが確認できる書類 マイナンバーカードまたは通知カードと身分証明書が必要です。
  5. 本人確認書類 マイナンバーカードを持っていない場合は、運転免許証やパスポートなどが必要です。
  6. 還付金振込先の口座情報 本人名義の銀行口座の情報(金融機関名、支店名、口座番号)が必要です。

場合によって必要な書類

  1. 医療費の領収書(原本) 提出は不要ですが、5年間の保管義務があります。税務署から提示を求められることがあるため、必ず保管しておきましょう。
  2. 医療費通知(医療費のお知らせ) 健康保険組合などから送られてくる「医療費通知」があれば、明細書の作成が簡略化できます。ただし、通知に記載されていない医療費もあるため、領収書での確認も必要です。
  3. おむつ代の医師の証明書 6か月以上寝たきりの方のおむつ代を医療費控除に含める場合、医師の証明書が必要です。
  4. セルフメディケーション税制を利用する場合の書類
  • セルフメディケーション税制の明細書
  • 一定の取組を行ったことを証明する書類(健康診断の結果通知書など)

書類の準備タイミング

  • 医療費の領収書:その都度保管しておく
  • 源泉徴収票:12月の給与明細と一緒に、または年明けに勤務先から発行
  • 医療費通知:年明けに健康保険組合から郵送される(時期は組合による)
  • 確定申告書、医療費控除の明細書:確定申告時期に作成

医療費の領収書は、日頃からファイルにまとめておくと、確定申告の際に集計が楽になります。月ごとや家族ごとに分けて保管する方法がおすすめです。

医療費控除の明細書の作り方

医療費控除の明細書は、支払った医療費を整理して記入する書類です。作成方法を詳しく見ていきましょう。

明細書の記入項目

医療費控除の明細書には、以下の項目を記入します。

  1. 医療を受けた人の氏名 家族の誰が受診したかを記入します。
  2. 病院・薬局等の名称 受診した医療機関や薬局の名前を記入します。
  3. 医療費の区分 診療・治療、医薬品購入、介護保険サービス、その他医療費の4つの区分から選択します。
  4. 支払った医療費の額 実際に支払った金額を記入します。
  5. 保険金などで補填される金額 生命保険の給付金や健康保険の高額療養費など、補填を受けた金額を記入します。

記入の手順

  1. 領収書を整理する まず、1年分の領収書を家族ごと、または医療機関ごとに分類します。
  2. 集計する 同じ医療機関での支払いは合計して記入できます。例えば、A病院に年間10回通院した場合、10回分をまとめて1行に記入できます。
  3. 明細書に記入する 整理した情報を明細書に記入します。すべての領収書を1枚ずつ記入する必要はなく、医療機関ごとにまとめて記入できます。

医療費通知を利用する場合

健康保険組合などから送られてくる「医療費通知(医療費のお知らせ)」がある場合、その内容を明細書に転記することで、記入を簡略化できます。

ただし、医療費通知には以下のような制限があります。

  • 発行時期の関係で、12月の医療費が含まれていないことがある
  • 薬局での市販薬購入は記載されていない
  • 通院の交通費は記載されていない
  • 窓口で支払った自己負担額が正確でないことがある

そのため、医療費通知だけに頼らず、領収書も確認して、不足分を追加で記入する必要があります。

国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用する方法

国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の指示に従って入力するだけで、自動的に医療費控除の明細書を作成できます。

入力方法は2つあります。

  1. 医療費通知から入力する方法 医療費通知の内容を入力します。通知に記載されていない医療費がある場合は、追加で入力します。
  2. 領収書から入力する方法 領収書を見ながら、1件ずつ入力していきます。同じ医療機関の支払いは、まとめて入力することもできます。

どちらの方法でも、入力が完了すると、自動的に医療費控除額が計算され、確定申告書に反映されます。

領収書は提出不要?保管義務と注意点

2017年分の確定申告から、医療費の領収書の提出は不要になりました。代わりに「医療費控除の明細書」を提出します。

領収書の保管義務

領収書の提出は不要になりましたが、自宅での保管は義務付けられています。確定申告の期限から5年間保管する必要があります。

これは、税務署から領収書の提示を求められることがあるためです。明細書の内容を確認するため、税務署が調査を行う場合があり、その際に領収書の提示が必要になります。

領収書を紛失してしまうと、医療費控除が認められなくなる可能性があるため、必ず保管しておきましょう。

保管方法のおすすめ

領収書は、以下のような方法で保管すると便利です。

  • 月ごとにクリアファイルに入れて保管
  • 家族ごとに分けて保管
  • 医療機関ごとに分けて保管
  • A4用紙に貼り付けて保管

また、領収書をスキャンしてデジタル化しておくと、紛失のリスクを減らせます。ただし、原本の保管義務はなくならないため、デジタルデータと原本の両方を保管しておくことをおすすめします。

領収書を紛失した場合の対処法

もし領収書を紛失してしまった場合、以下の方法で対応できることがあります。

  1. 医療機関に再発行を依頼する 多くの医療機関では、領収書の再発行に応じてくれます。ただし、再発行手数料がかかる場合があります。
  2. 医療費通知を利用する 健康保険組合から送られてくる医療費通知があれば、その内容で医療費控除を申告できます。
  3. クレジットカードの明細を利用する クレジットカードで支払った医療費は、カードの利用明細が証拠となることがあります。ただし、医療機関名と金額が明確に記載されている必要があります。
  4. 通帳の記録を利用する 銀行振込で支払った医療費は、通帳の記録が証拠となることがあります。

ただし、これらの代替手段が認められるかどうかは、税務署の判断によります。できるだけ領収書の原本を保管しておくことが重要です。

通院の交通費の記録

電車やバスの交通費は、領収書が出ないことが多いです。この場合、通院日、行先、交通手段、金額を記録したメモでも認められます。

エクセルなどで「通院交通費記録表」を作成し、通院のたびに記録しておくと便利です。記録には以下の情報を含めます。

  • 日付
  • 通院先(病院名)
  • 交通手段(電車、バスなど)
  • 区間(自宅~○○駅~病院など)
  • 金額

マイナポータル連携で医療費を自動取得する方法

マイナポータル連携を利用すると、医療費の情報を自動で取得でき、確定申告が非常に便利になります。

マイナポータル連携とは

マイナポータル連携は、マイナンバーカードを使って、マイナポータルに登録されている医療費情報を国税庁の確定申告書等作成コーナーに自動で取り込む機能です。

この機能を利用すると、以下のメリットがあります。

  • 医療費の入力作業が大幅に削減される
  • 入力ミスを防げる
  • 領収書を1枚ずつ確認する手間が省ける

マイナポータル連携の利用方法

  1. マイナンバーカードを準備する マイナンバーカードと、カードの暗証番号(4桁の数字)が必要です。
  2. マイナポータルに登録する マイナポータルのウェブサイトまたはアプリから、マイナンバーカードを使ってログインし、利用者登録を行います。
  3. 確定申告書等作成コーナーでマイナポータル連携を選択する 国税庁の確定申告書等作成コーナーで、マイナポータル連携を選択します。
  4. 医療費情報を取得する マイナンバーカードで認証すると、医療費情報が自動的に取り込まれます。
  5. 内容を確認し、不足分を追加する 取り込まれた情報を確認し、記載されていない医療費(市販薬、交通費など)があれば追加で入力します。

マイナポータル連携の注意点

マイナポータル連携で取得できるのは、医療保険の適用を受けた医療費のみです。以下のような費用は自動取得されないため、手動で追加する必要があります。

  • 薬局で購入した市販薬
  • 通院の交通費
  • 保険適用外の治療費(自由診療、インプラント、一部の歯科矯正など)
  • 入院時の差額ベッド代(対象となる場合)

また、医療費情報がマイナポータルに反映されるまでに、数か月かかることがあります。12月に受診した医療費が、翌年の確定申告時期までにマイナポータルに反映されていないこともあるため、領収書での確認も必要です。

対応デバイス

マイナポータル連携は、以下のデバイスで利用できます。

  • パソコン(ICカードリーダーまたはマイナンバーカード読取対応のスマートフォンが必要)
  • マイナンバーカード読取対応のスマートフォン

対応機種は、総務省のウェブサイトで確認できます。

書類不備があった場合の対応方法

確定申告書類を提出した後に不備が見つかった場合や、税務署から指摘を受けた場合の対応方法を知っておきましょう。

税務署から連絡があった場合

確定申告の内容に不備や疑問点がある場合、税務署から電話や郵送で連絡が来ることがあります。

よくある連絡内容:

  • 医療費控除の明細書の内容確認
  • 領収書の提示依頼
  • 保険金の補填額の確認
  • 対象外の医療費が含まれている可能性の指摘

連絡があった場合は、速やかに対応しましょう。指示に従って追加書類を提出したり、説明を行ったりすることで、ほとんどの場合は問題なく処理されます。

自分で誤りに気づいた場合

申告後に自分で誤りに気づいた場合の対応方法は、申告期限内か期限後かで異なります。

申告期限内(3月15日まで)の場合 「訂正申告」として、正しい内容で再度申告書を提出します。後から提出した申告書が正式なものとして扱われます。e-Taxの場合も、再度送信すれば上書きされます。

申告期限後の場合 期限後に誤りに気づいた場合は、「更正の請求」または「修正申告」を行います。

医療費控除で税額を少なく申告してしまった(還付金が少なかった)場合は、「更正の請求」を行います。これは申告期限から5年以内であれば可能です。

逆に、医療費控除で税額を多く申告してしまった(還付金が多すぎた)場合は、「修正申告」を行います。ただし、医療費控除は還付申告であるため、このケースは稀です。

よくある不備とその対処法

  1. 医療費の対象外費用を含めていた 美容目的の治療費など、対象外の費用を誤って含めていた場合は、修正申告が必要です。
  2. 保険金の差し引きを忘れていた 入院給付金などを受け取ったのに、医療費から差し引くのを忘れていた場合も、修正申告が必要です。
  3. 医療費の集計ミス 計算間違いで医療費の総額が誤っていた場合は、正しい金額で更正の請求または修正申告を行います。
  4. 領収書の提示ができない 税務署から領収書の提示を求められたが、紛失してしまった場合は、医療機関に再発行を依頼するか、医療費通知やクレジットカード明細など、代替となる証拠を提示します。

不備があっても、悪意がない限りペナルティが課されることはほとんどありません。誠実に対応すれば、問題なく処理されます。

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医療費控除の確定申告のやり方|e-Tax・書面提出を手順で解説

ここからは、実際に確定申告を行う方法について、具体的な手順を解説します。e-Tax(電子申告)と書面提出、それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

確定申告の期間と提出期限

確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までとなっています。ただし、これらの日が土日祝日の場合は、翌平日が期限となります。

医療費控除のような還付申告の場合は、この期間にかかわらず、1月1日から提出が可能です。早めに提出することで、還付金の受け取りも早くなるメリットがあります。

還付金の受け取り時期

確定申告後、還付金が指定した口座に振り込まれるまでの期間は、提出時期によって異なります。

  • e-Taxで提出した場合:約3週間
  • 書面で提出した場合:約1か月~1か月半

1月や2月の早い時期に提出すれば、3月中には還付金を受け取れる可能性が高くなります。

過去の分も申告できる

医療費控除の申告を忘れていた場合でも、5年以内であれば遡って申告できます。

例えば、2024年に医療費が多くかかったのに申告を忘れていた場合、2029年12月31日までであれば申告可能です。過去の分の医療費控除に気づいた場合は、速やかに申告しましょう。

申告が混雑する時期

確定申告期間中、特に3月に入ると税務署が非常に混雑します。窓口での相談は数時間待ちになることも珍しくありません。

混雑を避けるためには、以下の対策がおすすめです。

  • 2月中旬までに申告する
  • e-Taxを利用する
  • 税務署ではなく、確定申告会場(商業施設や公民館などに設置される臨時会場)を利用する
  • 郵送で提出する

e-Taxで医療費控除を申告する手順

e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すると、自宅から24時間いつでも確定申告ができます。還付金の受け取りも早いため、非常に便利です。

e-Taxの準備

e-Taxを利用するには、以下のいずれかの方法で認証を行います。

1. マイナンバーカード方式

  • マイナンバーカード
  • ICカードリーダーまたはマイナンバーカード読取対応のスマートフォン

2. ID・パスワード方式

  • 事前に税務署で発行してもらったID・パスワード (税務署に本人確認書類を持参して、その場で発行してもらいます)

マイナンバーカードを持っている方は、マイナンバーカード方式が便利です。スマートフォンで読み取れば、ICカードリーダーは不要です。

e-Taxで申告する手順(パソコンの場合)

  1. 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス 「国税庁 確定申告書等作成コーナー」で検索し、サイトにアクセスします。
  2. 作成開始を選択 「作成開始」ボタンをクリックします。
  3. 提出方法を選択 「e-Taxで提出 マイナンバーカード方式」または「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選択します。
  4. 利用環境の確認 パソコンの環境やブラウザが推奨環境を満たしているか確認します。
  5. マイナンバーカードまたはID・パスワードで認証 マイナンバーカード方式の場合は、ICカードリーダーまたはスマートフォンでカードを読み取ります。 ID・パスワード方式の場合は、税務署で発行されたIDとパスワードを入力します。
  6. 申告する年分を選択 令和6年分など、該当する年分を選択します。
  7. 所得の種類を選択 給与所得のみの場合は「給与所得」を選択します。
  8. 源泉徴収票の内容を入力 勤務先から受け取った源泉徴収票の内容を画面に従って入力します。
  9. 医療費控除を入力 「医療費控除」を選択し、以下のいずれかの方法で入力します。

方法1:医療費通知(医療費のお知らせ)から入力

  • 健康保険組合から送られてきた医療費通知の内容を入力
  • 通知に記載されていない医療費(市販薬、交通費など)を追加入力

方法2:領収書から入力

  • 医療を受けた人ごと、医療機関ごとに医療費を入力
  • 同じ医療機関の支払いはまとめて入力可能

方法3:マイナポータル連携で自動取得

  • マイナンバーカードで認証し、医療費情報を自動取得
  • 自動取得されない医療費(市販薬、交通費など)を追加入力
  1. 保険金などの補填額を入力 生命保険の給付金や高額療養費など、補填を受けた金額を入力します。
  2. 医療費控除額の確認 自動的に計算された医療費控除額を確認します。
  3. 還付金の受取口座を入力 還付金を振り込む金融機関の口座情報(本人名義)を入力します。
  4. マイナンバーを入力 本人と配偶者、扶養親族のマイナンバーを入力します。
  5. 申告内容の確認と送信 入力内容を確認し、問題がなければ送信します。
  6. 受信通知の確認 送信が完了すると、受信通知が表示されます。この画面を印刷またはPDF保存しておきましょう。

e-Taxで申告する手順(スマートフォンの場合)

スマートフォンでの申告も基本的な流れはパソコンと同じですが、より直感的な操作が可能です。

  1. スマートフォンのブラウザでアクセス 「国税庁 確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。
  2. 作成開始を選択 「作成開始」をタップします。
  3. スマートフォンで申告を選択 「スマートフォンで申告書を作成する」を選択します。
  4. マイナンバーカードで認証 マイナンバーカードをスマートフォンで読み取ります。
  5. 必要事項を入力 画面の指示に従って、源泉徴収票の内容や医療費控除の情報を入力します。
  6. 医療費の入力 スマートフォンのカメラで領収書を撮影すると、金額を自動認識する機能もあります(ただし、認識精度は完璧ではないため、確認が必要です)。
  7. 内容を確認して送信 入力内容を確認し、マイナンバーカードで認証して送信します。

スマートフォンでの申告は、マイナンバーカード対応のスマートフォンが必要です。対応機種は総務省のウェブサイトで確認できます。

スマホ・パソコンで申告する場合の流れ

国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用した申告の詳細な流れを、画面ごとに説明します。

医療費控除の入力画面

医療費控除の入力画面では、以下の3つの入力方法から選択できます。

1. 医療費集計フォームで入力 Excelの医療費集計フォームをダウンロードし、事前に医療費を入力しておく方法です。完成したフォームを確定申告書等作成コーナーで読み込むことで、一括入力できます。

この方法のメリット:

  • 事前にゆっくり入力できる
  • 家族で分担して入力できる
  • 年間を通じて少しずつ入力できる

2. 医療費の領収書から入力 画面上で1件ずつ医療費を入力していく方法です。

入力項目:

  • 医療を受けた人の氏名
  • 医療機関の名称
  • 医療費の区分(診療・治療、医薬品購入など)
  • 支払った医療費の額
  • 保険金などで補填される金額

同じ医療機関への支払いはまとめて入力できるため、通院回数が多くても、医療機関ごとに1行で入力できます。

3. 医療費通知を使用して入力 健康保険組合から送られてきた「医療費通知(医療費のお知らせ)」を見ながら入力する方法です。

通知に記載されている以下の情報を入力します:

  • 通知の発行元
  • 通知の対象期間
  • 医療費の合計額
  • 自己負担額の合計

ただし、医療費通知に記載されていない医療費(市販薬、通院交通費、12月分の医療費など)は、追加で入力する必要があります。

保険金等の入力

生命保険の給付金や高額療養費など、補填を受けた金額を入力します。

重要なポイント:

  • 補填金は、その補填の目的となった医療費にのみ差し引く
  • 補填金が医療費を上回る場合でも、マイナスにはしない(ゼロとする)
  • 他の医療費から差し引かない

例:

  • 入院費用30万円(入院給付金20万円を受給)
  • 通院費用10万円(保険金なし)

この場合の入力:

  • 入院費用:30万円(保険金20万円を差し引く)
  • 通院費用:10万円(保険金なし)

計算結果の確認

入力が完了すると、以下の内容が自動計算されます。

  • 医療費の総額
  • 保険金等で補填される金額
  • 差引金額
  • 医療費控除額(差引金額 – 10万円または総所得金額の5%)
  • 還付される所得税額

計算結果を確認し、想定と大きく異なる場合は、入力内容を再確認しましょう。

よくある入力ミス

  • 保険金の差し引きを誤る
  • 交通費の入力を忘れる
  • 市販薬の購入費を入れ忘れる
  • 家族の医療費の一部を入れ忘れる
  • 医療費の合計を手計算で誤る

確定申告書等作成コーナーは自動計算してくれるため、元データの入力さえ正確であれば、計算ミスは防げます。

税務署で書面提出する場合の手順

e-Taxを利用せず、書面で確定申告を行う方法も選択できます。従来からの方法で、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな方に適しています。

書面で申告する手順

  1. 確定申告書を入手する 税務署の窓口で入手するか、国税庁のウェブサイトからダウンロードします。または、確定申告書等作成コーナーで作成して印刷することもできます。
  2. 医療費控除の明細書を作成する 医療費の領収書を見ながら、医療費控除の明細書を作成します。手書きでも、パソコンで作成したものを印刷してもかまいません。
  3. 確定申告書に必要事項を記入する 源泉徴収票を見ながら、収入や所得、各種控除を記入します。医療費控除額も記入します。
  4. 必要書類を準備する
  • 確定申告書(2部:提出用と控え用)
  • 医療費控除の明細書
  • マイナンバーの確認書類(写し)
  • 本人確認書類(写し)
  1. 税務署に提出する 以下のいずれかの方法で提出します。

方法1:税務署の窓口に持参

  • 管轄の税務署に直接持参します
  • 申告書を2部持参し、1部に受付印を押してもらって控えとして保管します
  • 確定申告期間中は混雑するため、待ち時間を覚悟する必要があります

方法2:税務署に郵送

  • 管轄の税務署宛てに郵送します
  • 申告書のコピーと返信用封筒(切手貼付)を同封すると、受付印を押した控えを返送してもらえます
  • 書留や簡易書留など、配達記録が残る方法で送ることをおすすめします
  • 郵送の場合、消印の日付が提出日となります

方法3:税務署の時間外収受箱に投函

  • 税務署の開庁時間外でも、時間外収受箱に投函できます
  • ただし、この方法では控えに受付印をもらえません
  • 控えが必要な場合は、窓口持参か郵送を選択してください

確定申告会場を利用する

確定申告期間中は、税務署以外にも臨時の確定申告会場が設けられることがあります。商業施設や公民館などに設置され、税務署よりも空いていることが多いです。

確定申告会場では、以下のサービスを受けられます。

  • 申告書の作成支援(パソコンやタブレットを使った入力指導)
  • 申告内容の相談
  • 申告書の提出受付

会場の場所や開設期間は、国税庁のウェブサイトや地域の広報で確認できます。

税務署での相談

申告内容に不安がある場合、税務署で相談することができます。ただし、確定申告期間中は非常に混雑するため、以下の点に注意してください。

  • 午前中や週明けは特に混雑する
  • 必要書類を事前に準備しておく
  • 相談内容を事前にまとめておく
  • 電話での相談も可能(ただし、複雑な内容は対面が望ましい)

簡単な質問であれば、国税庁の電話相談センターを利用する方法もあります。

申告を忘れた・間違えた場合の対処法

確定申告を忘れてしまった場合や、内容に誤りがあった場合の対処法をケース別に説明します。

ケース1:確定申告を忘れていた場合

医療費控除のような還付申告の場合、申告期限を過ぎても5年以内であれば申告が可能です。

例えば、2024年分の医療費控除を申告し忘れていた場合、2029年12月31日までであれば申告できます。気づいた時点で速やかに申告しましょう。

還付申告の場合、期限後申告でもペナルティはありません。ただし、還付金の受け取りが遅れるだけです。

申告方法は通常の確定申告と同じです。確定申告書等作成コーナーで、該当する年分を選択して作成します。

ケース2:申告内容に誤りがあった場合(還付金が少なかった)

計算ミスなどで本来より少なく医療費控除を申告してしまった、または還付金が少なくなってしまった場合は、「更正の請求」を行います。

更正の請求は、申告期限から5年以内であれば可能です。更正の請求書を提出すると、税務署で内容を審査し、認められれば差額が還付されます。

更正の請求書は、確定申告書等作成コーナーで作成できます。

ケース3:申告内容に誤りがあった場合(還付金が多すぎた)

逆に、計算ミスで本来より多く医療費控除を申告してしまった場合は、「修正申告」を行う必要があります。

ただし、医療費控除は還付申告であるため、このケースは稀です。万が一、対象外の医療費を誤って含めていたなどの場合は、速やかに修正申告を行いましょう。

修正申告は、誤りに気づいた時点で行います。税務署から指摘される前に自主的に修正申告すれば、延滞税のみで済み、過少申告加算税は課されません。

ケース4:申告期限内に誤りに気づいた場合

3月15日の申告期限内であれば、「訂正申告」として、正しい内容で再度申告書を提出することができます。後から提出した申告書が正式なものとして扱われます。

e-Taxの場合も、再度送信すれば上書きされます。訂正申告の場合、特別な手続きは不要で、通常の確定申告と同じ方法で再提出するだけです。

ケース5:還付金額がおかしいと感じた場合

還付金が思ったより少ない、または多いと感じた場合は、まず以下を確認しましょう。

  • 医療費控除額の計算は正しいか
  • 所得税率は正しく理解しているか
  • 他の控除(社会保険料控除、生命保険料控除など)の影響
  • 源泉徴収額(すでに納めた税金)の確認

不明な点があれば、税務署に問い合わせることができます。還付金の計算明細を教えてもらえます。

ケース6:還付金がいつまでも振り込まれない場合

通常、e-Taxで提出した場合は約3週間、書面で提出した場合は約1か月~1か月半で還付金が振り込まれます。

それ以上経っても振り込まれない場合は、以下の可能性があります。

  • 申告内容に不備があり、税務署から連絡待ちの状態
  • 還付金の振込先口座情報に誤りがある
  • 税務署での処理が遅れている

この場合、管轄の税務署に問い合わせましょう。申告書に記載した電話番号に連絡が来ていないか確認することも重要です。

困ったときは専門家に相談

医療費控除の申告で判断に迷う場合や、複雑な状況の場合は、税理士に相談することも検討しましょう。特に、以下のような場合は専門家のアドバイスが有効です。

  • 高額な医療費で、控除額が大きい場合
  • 保険金の差し引き方が複雑な場合
  • 複数年分をまとめて申告する場合
  • 事業所得など他の所得がある場合

税理士への相談料はかかりますが、正確な申告ができることで、将来的なトラブルを避けられるメリットがあります。

質問に答えるだけで申告書が完成

確定申告で医療費控除のやり方:まとめ

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、税金の還付を受けられる制度です。会社員の方でも確定申告が必要ですが、手順を理解すれば決して難しくありません。

医療費控除のポイントをまとめると以下の通りです。

  • 原則として年間医療費が10万円を超えた場合に対象(総所得金額200万円未満の方は、総所得金額の5%を超えた場合)
  • 家族全員の医療費を合算できる
  • 治療目的の費用が対象で、予防や美容目的は対象外
  • 還付金は医療費控除額×所得税率で計算される
  • 翌年度の住民税も軽減される
  • 領収書の提出は不要だが、5年間の保管義務がある
  • e-Taxを利用すると、還付金の受け取りが早い
  • 申告を忘れても、5年以内なら遡って申告できる

医療費が多くかかった年は、必ず医療費控除の申告をすることをおすすめします。正しく申告することで、数万円から十数万円の節税効果が期待できます。

国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、画面の指示に従って入力するだけで簡単に申告書を作成できます。マイナポータル連携を利用すれば、さらに便利に申告できるようになっています。

不明な点があれば、税務署に相談したり、税理士に依頼したりすることも検討しましょう。この記事が、医療費控除の確定申告を進める上で、皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪

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