はじめに
投資信託を運用していると、分配金(配当金)を受け取ることがあります。では、この配当金は確定申告が必要なのでしょうか?
本記事では、投資信託の配当金に関する税金の仕組み、確定申告の必要性、申告方法について詳しく解説します。
目次
投資信託の配当金とは?
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— たくろう/元国税調査官が図解で教える税金・節税対策 (@takuro_kindle) November 14, 2024
【配当所得の確定申告】【ブクマ推奨】
株の配当金・投資信託の分配金は『配当所得』に該当。『配当所得』は所得税・住民税が源泉徴収されているので、原則として確定申告は不要。
ただし、有利な課税方式を選ぶために、次の3通りが認められている。
❶… pic.twitter.com/feKAKkjtxA
投資信託の配当金(分配金)は、ファンドが得た利益の一部を投資家に分配するものです。分配金には以下の2種類があります。
- 普通分配金:利益から支払われるため、課税対象となる。
- 元本払戻金(特別分配金):元本の一部を返還するものなので、非課税。
このうち、確定申告が関係するのは普通分配金です。
確定申告が必要なケースとは?
投資信託の配当金に関して確定申告が必要かどうかは、課税方式や年間の所得状況によって異なります。
確定申告が不要なケース
- 源泉徴収ありの特定口座を利用している場合:証券会社が税金を自動で計算・納税してくれるため、確定申告は不要。
- 年間の給与収入が2,000万円以下で、投資信託の配当金やその他の所得が20万円以下の場合:確定申告の義務はない。
確定申告が必要なケース
- 一般口座を利用している場合:自分で所得を計算し、確定申告を行う必要がある。
- 源泉徴収なしの特定口座を利用している場合:確定申告が必要。
- 配当控除を活用したい場合:確定申告を行うことで、税金が軽減される可能性がある。
- 損益通算を行いたい場合:株式や投資信託の売却損と配当金の利益を相殺するために、確定申告が必要になる。
確定申告の手続き方法
確定申告をする場合、以下の手順で行います。
(1) 必要書類を準備する
- 年間取引報告書(証券会社から取得)
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- その他の控除関連書類(医療費控除、社会保険料控除など)
(2) 申告書を作成する
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxを利用すると、簡単に作成可能。
- 「配当所得」の欄に、投資信託の普通分配金を記入。
- 配当控除を適用する場合は、「配当控除額」を計算して入力。
(3) 提出する
- e-Tax(オンライン提出)
- 税務署への郵送または窓口提出
- 確定申告期間(通常2月16日〜3月15日)内に提出すること。
配当控除と損益通算の活用
配当控除
上場株式や投資信託の配当金は、確定申告を行うことで配当控除の対象となります。配当控除を適用すると、所得税・住民税が軽減される可能性があります。
ただし、住民税については申告不要制度を利用する方が有利になる場合もあるため、シミュレーションを行いながら判断しましょう。
損益通算
投資信託の売却損がある場合、確定申告をすることで配当金の利益と相殺(損益通算)できます。損失が大きい場合、翌年以降3年間にわたって繰り越すことも可能です。
投資信託の配当金の確定申告:まとめ
投資信託の配当金に関する確定申告は、口座の種類や所得状況によって異なります。
- 「源泉徴収ありの特定口座」を利用している場合は、基本的に確定申告不要。
- 「一般口座」や「源泉徴収なしの特定口座」の場合は、確定申告が必要。
- 配当控除や損益通算を活用すると、税金を軽減できる可能性がある。
投資信託の税金対策をしっかりと理解し、賢く運用を進めましょう!
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪