はじめに
神奈川県横須賀市にある横須賀基地は、東京湾の入り口に位置し、古くから幕末のペリー来航や近代海軍の歴史とともに歩んできた「軍港の街」の象徴です。
現在は海上自衛隊の主要部隊の司令部が置かれ、さらにアメリカ海軍(米海軍)の第7艦隊も拠点を置く、日米の海上防衛において極めて重要な役割を果たす超巨大拠点となっています。
この記事では、横須賀基地を見学するための具体的な方法や護衛艦の見どころをはじめ、大人気の「軍港めぐりクルーズ」との違い、周辺の観光スポットまでを徹底的に解説します。
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横須賀基地は見学できる?見学方法と参加条件を解説

普段は高い柵と厳しい警備に守られている横須賀基地ですが、一般の私たちが中の様子を見学する方法はいくつか存在します。まずはその仕組みを紐解いていきましょう。
横須賀基地とはどんな場所なのか
横須賀基地は、海上自衛隊の艦艇の運用を統括する「自衛艦隊司令部」や、各地方の防衛を担う「横須賀地方総監部」が所在する、日本の海の守りの頭脳とも言える場所です。常に多くの護衛艦や潜水艦が係留されており、隊員たちの訓練や補給、艦艇のメンテナンスが行われています。
海上自衛隊横須賀基地と米海軍横須賀基地の違い
横須賀の港は、大きく2つのエリアに分かれています。
・海上自衛隊横須賀基地:主に「船越地区」や「吉倉地区」と呼ばれるエリアにあり、日本の護衛艦や潜水艦、各種補助艦艇が常駐しています。
・米海軍横須賀基地(米海軍横須賀市中基地):自衛隊のエリアに隣接する広大な敷地で、原子力空母やイージス駆逐艦などが母港としています。敷地内は完全にアメリカのカルチャーで占められており、治外法権のエリアとなります。
一般人でも横須賀基地を見学できる?
結論から言うと、一般人でも見学は可能です。ただし、映画館や博物館のように「思い立ったら誰でもいつでも自由に入れる」という場所ではありません。海上自衛隊や米軍が企画する、特定の一般開放イベントや公式の見学ツアーに参加する必要があります。
基地見学の主な方法一覧
横須賀基地(特に海上自衛隊側)の内部を見るには、主に以下のチャンスがあります。
- ヨコスカサマーフェスタ(夏):年に一度、夏頃に開催される最大の一般開放イベント。
- カウントダウンイベント(年末):艦艇のライトアップや汽笛の鳴奏が行われるイベント。
- 地方総監部が実施する一般見学・艦艇一般公開:週末などに不定期、または予約制で開催されるミニイベント。
- 米軍基地の一般開放(スプリングフェスタやフレンドシップデー):米海軍の敷地内に入ることができる大人気イベント。
見学ツアーの申込方法と参加条件
海上自衛隊横須賀地方総監部が実施する定期見学や艦艇公開に参加する場合、多くは事前に「インターネット(公式ホームページの特設フォーム)」からの応募が必要です。
応募者多数の場合は抽選となり、当選者にのみ入場案内が届きます。参加条件として、特別な資格は必要ありませんが、代表者の氏名や連絡先、同行者の情報を正確に登録する必要があります。
見学前に確認しておきたい注意事項
横須賀基地は、現役で稼働している日本の重要防衛施設です。
・突然の有事や任務の都合、天候悪化によって、見学ツアーやイベントが直前で急遽中止になる場合があります。
・見学ルートは大変広く、階段や段差が多いため、自歩が困難な場合の移動には一定の制限がかかることがあります。
横須賀基地で見学できる護衛艦や施設の見どころ
運よく基地内や艦艇公開への入場を勝ち取った際、どこに注目すればより楽しめるのか、その見どころを解説します。
横須賀基地で見られる主な護衛艦
横須賀を母港とする艦艇はバラエティ豊かです。
・ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」:全長248メートルを誇る、海上自衛隊最大の全通甲板(空母のような見た目)を持つ巨大艦。
・イージス護衛艦「まや」「きりしま」:高性能レーダーとミサイル防衛能力を持つ、日本の盾。
・汎用護衛艦(むらさめ型・たかなみ型など):前線で多角的な任務をこなす、美しいシルエットの戦闘艦。
艦艇一般公開で体験できる内容
一般公開の日には、岸壁に横付けされた護衛艦のタラップ(乗降階段)を登り、実際に甲板の上を歩くことができます。
艦上で、巨大な主砲(5インチ単装砲)が目の前で滑らかに旋回する迫力の動作デモンストレーションを見られたり、高性能20mm機関砲(CIWS)を間近で観察できたりします。また、ヘリコプターが格納される巨大な格納庫の中を歩く体験も格別です。
艦内見学で注目したいポイント
もし「艦内見学(船の中に入るルート)」が含まれている場合は、非常にラッキーです。
護衛艦の内部は、映画のワンシーンのような狭い通路や急な階段(ラッタル)が張り巡らされています。船のコントロールセンターである「発着艦管制室」や、運が良ければ「ブリッジ(艦橋)」と呼ばれる操舵室まで入れることも。艦橋の窓から眺める横須賀の海の景色や、並ぶ計器類は必見です。
イージス艦や潜水艦を見学できることはある?
イージス艦が一般公開の対象になることはありますが、機密の塊であるため、艦内の重要な部屋(CICなど)に一般人が入ることは絶対にできません。
また、漆黒のボディを持つ「潜水艦」については、さらに機密レベルが高いため、一般人が中に入るチャンスは皆無に等しいです。しかし、岸壁にクジラのように静かに佇むその姿を外側から間近に眺めるだけでも、強烈な存在感を味わうことができます。
写真撮影におすすめのスポット
・いずも型の艦尾側岸壁:その圧倒的な巨大さを一枚の写真に収めることができます。
・護衛艦の艦首(正面):シャープに尖った船体と、たなびく自衛艦旗(旭日旗)をバックにした記念撮影は王道の1枚です。
・撮影禁止マークに注意:艦内の一部や、液晶画面に重要データが表示されている場所には「撮影禁止」の案内があります。隊員の指示をしっかり守りましょう。
ミリタリーファンに人気の見どころ
コアなファンが注目するのは、艦艇に施された細かなウェザリング(サビや塗装のはがれ)や、特殊なアンテナの配置、隊員たちが身につけている横須賀限定の「部隊識別帽(キャップ)」のデザインなどです。基地内の売店でしか買えない限定グッズのチェックも欠かせません。
軍港めぐりクルーズと基地見学の違いを比較
横須賀の艦艇を見るための手段として、基地見学と双璧をなす、あるいはそれ以上の知名度を誇るのが「YOKOSUKA軍港めぐり」というクルーズ船です。それぞれの違いを比較してみましょう。
軍港めぐりクルーズとは?
京急汐入駅近くの「コースカ ベイサイド ストアーズ」の裏手から発着している、毎日運行の約45分間の観光クルーズ船です。船上ガイドによるリアルタイムの生解説を聞きながら、横須賀の港を船でぐるりと1周します。
基地見学との違いを比較
| 比較項目 | 横須賀基地見学(自衛隊イベントなど) | YOKOSUKA軍港めぐり(クルーズ) |
| 手軽さ | 事前予約や抽選が必要で、開催日が限られる | 毎日運行されており、予約も取りやすい(当日券もあり) |
| 視点 | 敷地内や艦艇の「中」に入り、足元から見上げる | 海の上から、基地の全体像や艦艇の姿を「外側」から広く見渡す |
| カバーエリア | 立ち入れるのは自衛隊(または米軍)の指定エリアのみ | 海上から、海自基地と米海軍基地の双方の艦艇を同時に見られる |
| 解説の有無 | 隊員に質問すれば教えてくれる形式 | 専門の案内人がマイクで面白く分かりやすく全て解説してくれる |
軍港めぐりで見られる艦艇や施設
軍港めぐりの最大の強みは、アメリカ海軍の「原子力空母(ロナルド・レーガンなど)」が日本に帰港している際、そのビルの一群のような巨体を海のすぐ上から眺められる点です。また、自衛隊の潜水艦がズラリと数隻並んで係留されている「潜水艦基地」の目の前まで船で大接近してくれます。
初心者におすすめなのはどちら?
圧倒的に「軍港めぐりクルーズ」がおすすめです。
予約のハードルが低く、何より案内人の解説が非常に秀逸なため、「どれが戦艦でどれが護衛艦か分からない」という初心者でも、45分間の終わりには横須賀の艦艇にすっかり詳しくなれるほどの満足感があります。
家族連れにおすすめの楽しみ方
小さな子ども連れの場合も、軍港めぐり船が快適です。船内にはエアコン完備の一階席があり、雨や暑さをしのぎながら大きな窓越しに船を眺めることができます。飽きっぽいお子様でも、45分という短い時間の中で次々と巨大な船が現れるため、アトラクション感覚で楽しめます。
両方を効率よく楽しむモデルコース
もしイベント開催日に合わせて横須賀へ行くなら、両方を組み合わせた贅沢な1日プランが可能です。
・午前:当選した横須賀基地の見学イベントへ入場。実際に護衛艦の甲板を歩いて隊員と交流。
・昼食:近くの商業施設やドブ板通りで名物のカレーを堪能。
・午後:事前に予約しておいた「軍港めぐり」の最終便近くに乗船。今度は海の上から、午前中に自分が歩いた基地や護衛艦を外側から眺め、そのスケール感を立体的に復習する。
横須賀基地へのアクセス方法と見学当日の注意点
見学当日、遅刻や忘れ物で大切なチャンスを棒に振らないための実用的なアクセス情報です。
JR横須賀駅からのアクセス方法
JR横須賀線「横須賀駅」は、海上自衛隊横須賀基地(吉倉地区)の目の前に位置しています。
改札を出ると目の前には美しい海(ヴェルニー公園)が広がっており、イベント時の自衛隊ゲートまでは徒歩ですぐ(約1〜5分)という圧倒的な好立地を誇ります。
京急汐入駅からのアクセス方法
京浜急行(京急線)を利用する場合は「汐入(しおいり)駅」が便利です。
軍港めぐりの乗船場へは徒歩約5分、米海軍横須賀基地のメインゲート(三笠ゲート側など)やドブ板通りへ向かう際にも、この汐入駅が最も近い拠点となります。
車で訪れる場合のアクセス方法
高速道路を利用する場合、横浜横須賀道路(横横道路)の「横須賀IC」から本町山中有料道路を経由して約5分で横須賀港周辺に到着します。ただし、基地の敷地内には一般来場者用の駐車場は一切ありません。
周辺駐車場の利用方法
車を停める場合は、近隣の民間・公共駐車場を利用します。一番の狙い目は、軍港めぐりの発着場でもある大型商業施設「コースカ ベイサイド ストアーズ」の駐車場(約1,400台収容)です。施設内での買い物や飲食、クルーズ乗船によって駐車料金の割引サービスを受けられます。
入場時に必要な身分証明書
米軍基地の一般開放イベントや、自衛隊の厳重なセキュリティが必要な見学時には、「写真付きの公的身分証明書」の提示が必須となるケースが多いです。
・マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどの原本を持参してください(顔写真のない保険証などでは入場を断られる場合があります)。
持ち込み禁止物とセキュリティチェック
基地のゲートでは、空港並みの手荷物検査(バッグの中身チェック、金属探知機の通過)が行われます。
・刃物類(カッターやハサミ)、工具、危険物、ドローン、アルコール類などは持ち込み禁止です。荷物はできるだけ少なくまとめていくのが、スムーズに入場する最大のコツです。
横須賀基地見学とあわせて楽しみたい周辺観光スポット
横須賀はコンパクトな街の中に、異国情緒と歴史がギュッと詰まっています。見学の前後で必ず立ち寄りたい鉄板スポットをご紹介します。
ヴェルニー公園で艦艇を眺めよう
JR横須賀駅の目の前に広がる、フランス庭園様式を取り入れた美しい臨海公園です。
園内には約1,400本のバラが咲き誇り、その美しい花々の向こう側には、海上自衛隊の護衛艦や米軍の艦艇が静かに浮かぶ姿をいつでも無料で見渡すことができます。カメラを持ったファンの定番ベンチスポットです。
三笠公園と記念艦三笠の見どころ
「日本の都市公園100選」にも選ばれている三笠公園。その中心に堂々と鎮座しているのが、明治38年の日本海海戦で東郷平八郎司令長官が乗艦し、ロシアのバルチック艦隊を破った世界三大記念艦の一つである「三笠(みかさ)」です。
現存する世界最古の鋼鉄戦艦であり、中に入って大砲の展示や歴史的な操舵室を見学することができます。
よこすか海軍カレーを味わえる人気店
明治時代の海軍のレシピを現代に再現した「よこすか海軍カレー」。原則として「牛乳とサラダ」がセットで提供されるのがルールです。駅周辺やドブ板通りには、「ウッドアイランド カレーレストラン」や「横須賀海軍カレー本舗」など、コク深い元祖の味を守り続ける名店がひしめき合っています。
ドブ板通りでアメリカ文化を体験
本町にある「ドブ板通り(どぶいたどおり)」は、米軍基地の門前町として栄えた商店街です。
看板は英語表記が多く、ドルが使えるお店もあり、昼はスカジャン(横須賀発祥の刺繍入りジャンパー)を売るショップ、夜は米兵たちが集う賑やかなバーへと姿を変えます。ここで食べる、肉厚でジューシーな「ヨコスカネイビーバーガー」は格別の食べ応えです。
家族連れにおすすめの観光スポット
三笠公園から船で約10分の場所にある東京湾唯一の無人島「猿島(さるしま)」は、子ども連れのアドベンチャーに最適です。かつて東京湾を守る要塞として使われていた島内には、レンガ造りのトンネルや砲台跡がそのまま残されており、まるでアニメの世界に迷い込んだかのような探検を楽しめます。
横須賀観光モデルコース【半日・1日プラン】
【大満足の1日王道プラン】
・10:00:JR横須賀駅に到着 ⇒ ヴェルニー公園を散策しながら自衛隊の船を遠目にパシャリ。
・11:00:コースカベイサイドストアーズに移動し、「YOKOSUKA軍港めぐり」に乗船(大迫力の45分解説)。
・12:15:ドブ板通りへ移動し、「ヨコスカネイビーバーガー」または「海軍カレー」の豪快なランチ。
・14:00:三笠公園へ向かい、「記念艦 三笠」の内部をじっくり見学して日本の海軍歴史に浸る。
・16:00:ドブ板通り周辺のお土産店で、ネイビーグッズやレトルトカレーを買い込んで帰路へ。
横須賀基地見学に関するよくある質問
初めて横須賀を訪れる方が抱きがちな疑問に、シンプルにすっきりお答えします。
横須賀基地の見学は予約が必要?
はい。海上自衛隊の敷地内に入って見学する公式ツアーや艦艇公開は、原則として事前のWeb予約(抽選制)が必要です。ただし、「ヨコスカサマーフェスタ」などの大型イベントや、米軍の「フレンドシップデー」などの日は、予約不要で当日誰でも入れる開放日となることが多いです(※最新の開催要項を必ずご確認ください)。
見学料金はかかる?
自衛隊基地の見学や、艦艇の一般公開イベントへの入場料はすべて無料です。ただし、周辺の「軍港めぐりクルーズ(大人約2,000円〜)」や「記念艦 三笠(高校生以上600円)」などはそれぞれ所定の観覧料がかかります。
子どもでも参加できる?
もちろん参加できます。ただ、自衛隊の艦艇公開の場合、急なハシゴのような階段を上り下りする場面があるため、安全上の理由から「未就学児や小さなお子様は一部のエリア(艦橋など)への立ち入りをお断りする」という制限がつく場合があります。
雨天でも見学できる?
雨でもイベント自体は決行されることが多いですが、船の甲板は雨に濡れると非常に滑りやすくなり危険です。また、傘を差しながらの狭いタラップの移動は制限されることがあるため、雨の日はレインコート(カッパ)を用意していくのが鉄則です。
見学できる護衛艦は毎回同じ?
毎回異なります。その時々に横須賀の港に帰港している船や、任務のスケジュールに余裕がある艦艇がホスト役を務めるため、当日どの船に乗れるかは直前まで分からないことも多く、それもまたファンの楽しみの一つとなっています。
軍港めぐりは当日参加できる?
当日、船の座席に空き(空席)があれば、予約なしでも乗船チケットを購入して参加することができます。しかし、土日祝日や連休、自衛隊のイベント日などは何日も前から予約で完全に満席になるため、旅行の日程が決まったら公式サイトで事前に乗船予約をしておくのが確実です。
横須賀基地の見学:まとめ
日米の強大な海上パワーと、奥深い歴史のロマンが交錯する横須賀基地。最後に快適に旅を楽しむためのポイントをおさらいします。
横須賀基地見学を楽しむためのポイント
実際の基地の内部に入るチャンスは貴重です。公式ホームページ(横須賀地方総監部や米海軍の広報)をこまめにチェックし、予約受付のタイミングを逃さないアンテナの高さが、感動の体験への第一歩となります。
軍港めぐりとあわせて横須賀を満喫しよう
もし基地の中に入る予約が取れなかったとしても、横須賀には「YOKOSUKA軍港めぐり」という最強のクルーズ船があります。海の上から眺める戦闘艦や潜水艦のスケール感は、陸の上から見るのとは全く違う興奮を味あわせてくれます。
事前準備をして充実した見学体験を楽しもう
動きやすいスニーカーを履き、必要な身分証明書をポケットに入れ、お腹に海軍カレーを蓄えて挑む横須賀の旅。日米の防衛の最前線を五感で体感し、海風を感じながら、素晴らしい軍港クルーズと基地見学の思い出を作ってみてください。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。(^^♪















