【図解付き】バスケのインテンションファールとは？ルール・退場・基準をわかりやすく解説！

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はじめに

バスケットボールの試合で「インテンションファール！」と審判が宣告したとき、どんな反則かすぐに説明できますか？

実はこれは「わざと反則をした」と判断された場合に適用される特別なルールで、退場やフリースローなど大きな影響を及ぼします。本記事では、インテンションファールの意味・ルール・見分け方を、初心者でもわかるように図解付きで解説します

インテンションファールの意味とは

それにしても
昨日のバスケ熱かったなー。

富永が受けたインテンションファールで完全に流れ持ってきたよね。

帰ったらもっかいみよ🏀 pic.twitter.com/3tMsZjNSEj
— Big Hat Monkey a.k.a. ワイは猿や！ (@BigHatMonkeys) August 28, 2023

通常のファールとの違い

バスケットボールにおけるファウルは、大きく分けて「パーソナルファウル」と「テクニカルファウル」の2種類に分類されます。

パーソナルファウルは、プレー中に相手選手との不当な身体接触によって起こるファウルです。例えば、ディフェンス時に相手を押したり、シュートを打つ際に腕を叩いたりする行為が該当します。これらは試合の流れの中で起こる、比較的軽度の反則とされています。

一方、**インテンションファール（インテンショナルファウル）**とは、選手が意図的・故意的に反則を犯す行為を指していました。単なる接触ミスではなく、戦略的な目的を持って相手選手にファウルを仕掛けることが特徴です。

通常のファウルとの最も大きな違いは、「故意性」と「目的性」にあります。偶発的な接触ではなく、明確な意図を持って行われるファウルであるため、通常のパーソナルファウルよりも重いペナルティが科されていました。

故意・戦略的ファールの定義

インテンションファールは、以下のような状況で使われることが多くありました。

試合終盤の時間稼ぎ 負けているチームが残り時間を有効活用するため、意図的にファウルを仕掛けてゲームクロックを止める戦術です。フリースローを与えることになりますが、プレー時間を確保できるメリットがあります。

速攻の阻止 相手チームが速攻を仕掛けてきた際、確実な得点を防ぐために意図的にファウルを犯す行為です。2点を確実に取られるよりも、フリースロー（最大2本）で済ませる方が失点を抑えられる可能性があります。

流れを変える戦術 相手チームの勢いを止めるため、あえてファウルを仕掛けてゲームの流れを一時停止させる戦略です。タイムアウトの代わりとして使われることもありました。

これらの戦術的ファウルは、バスケットボールの試合運びにおいて重要な役割を果たしていましたが、スポーツマンシップの観点から問題視されるようになりました。

インテンションファールが与える影響

インテンションファールは、試合に以下のような影響を与えます。

試合の流れへの影響 故意的にファウルを犯すことで、勢いのある相手チームの攻撃を中断させることができます。特に連続得点を許している場面では、流れを断ち切る有効な手段となっていました。

選手の心理的影響 頻繁にインテンションファールを受ける選手は、プレーに対する集中力が削がれたり、フリースローのプレッシャーを感じたりすることがあります。逆にファウルを犯す選手も、個人ファウル数が増えることでプレーが消極的になる可能性があります。

観客への影響 過度な戦術的ファウルは、試合のテンポを悪くし、エキサイティングなプレーを減少させます。観客にとっては、ゲームの流れが頻繁に止まることで、興奮が削がれる要因となっていました。

こうした問題点から、バスケットボールのルールは進化を遂げ、現在では「インテンションファール」という名称は使われなくなり、より厳格な「アンスポーツマンライクファウル」という概念に置き換わっています。

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インテンションファールで5ファウルになると退場

5ファウル制の基本ルール

バスケットボールには「5ファウル制」という重要なルールがあります。これは、1人の選手が1試合中に5回ファウルをしてしまった場合、その選手は退場となり、その試合には二度と出場できなくなるという規則です。

カウントされるファウルの種類 5ファウルにカウントされるのは、以下のファウルです。

パーソナルファウル：プレー中の身体接触による反則
テクニカルファウル：スポーツマンらしくない行為や言動
アンスポーツマンライクファウル：故意的・悪質な反則

これらすべてのファウルが個人のファウル数として累積されます。つまり、パーソナルファウル3回とアンスポーツマンライクファウル2回を犯した場合も、5ファウルで退場となります。

ミニバスケットボールの場合 ミニバスケットボール（小学生のカテゴリー）では、1試合が4クォーター制（各6分）のため、5ファウルではなく「5ファウル制」が適用されます。成長段階の子どもたちがファウルを恐れずに積極的にプレーできるよう配慮されています。

ファウルトラブル 選手が4ファウルになると「ファウルトラブル」と呼ばれる状態になります。この状態では、次のファウルで退場となるため、コーチは選手を一時的にベンチに下げたり、ディフェンスを控えめにプレーするよう指示したりします。

試合への影響（チーム・選手への影響）

5ファウルによる退場は、試合の展開に大きな影響を与えます。

チームへの影響

主力選手の離脱 エースやスタープレイヤーが5ファウルで退場すると、チームの得点力やディフェンス力が大きく低下します。特に接戦の試合では、主力選手の退場が勝敗を左右することも少なくありません。

戦術の制限 ファウルトラブルを抱えた選手がいる場合、コーチは本来の戦術を変更せざるを得なくなります。攻撃的なディフェンスができなくなったり、特定の選手に負担が集中したりする可能性があります。

ベンチメンバーの重要性 主力選手が退場した場合、ベンチメンバーの活躍が不可欠となります。普段は出場時間の少ない選手でも、チームに貢献できるチャンスとなる一方、プレッシャーも大きくなります。

選手個人への影響

プレースタイルの制約 ファウル数が増えるにつれて、選手は積極的なディフェンスやリバウンド争いを控えるようになります。本来のプレーができず、パフォーマンスが低下する可能性があります。

心理的プレッシャー 4ファウルの状態でプレーする選手は、常に退場のリスクを意識しながらプレーしなければなりません。この心理的プレッシャーが、判断ミスやプレーの質の低下につながることもあります。

出場時間の調整 ファウルトラブルを抱えた選手は、コーチによって出場時間を制限されることがあります。試合の重要な場面で使えるよう、コーチは慎重に選手の起用タイミングを計ります。

実例：プロリーグや試合でのインテンションファール事例

『スラムダンク』深津のインテンショナルファウル バスケ漫画の金字塔『スラムダンク』では、愛知の星・深津一成が戦略的にインテンショナルファウルを使用するシーンが描かれています。深津は試合の流れを止めるため、あるいは時間を調整するために、意図的にファウルを仕掛けます。この描写は、インテンショナルファウルが単なる反則行為ではなく、試合戦略の一環として使われることを示す典型例でした。

NBA終盤の戦術的ファウル NBAの試合では、残り数秒で負けているチームが、意図的に相手選手にファウルを犯す「ハック・ア・シャック」戦術が有名です。フリースローが苦手な選手を狙ってファウルを重ね、フリースローミスを誘って逆転のチャンスを作る戦術です。シャキール・オニールなど、フリースローが苦手なビッグマンが標的となることが多くありました。

Bリーグでのアンスポーツマンライクファウル 日本のプロバスケットボールリーグ「Bリーグ」でも、速攻阻止のための故意的なファウルが頻繁に見られます。相手が無人の速攻を仕掛けた際、後方から止めに入る行為はアンスポーツマンライクファウルと判定され、フリースロー2本とボールの所有権が相手に与えられます。

国際大会での退場劇 オリンピックやワールドカップなどの国際大会では、試合の重要性が高いため、5ファウルによる退場が試合結果に直結することがあります。主力選手が早い段階でファウルトラブルに陥ると、チーム全体の戦術が崩れ、予想外の結果を招くこともあります。

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インテンションファールの判定と対処法

レフェリーの判定基準

現在のバスケットボールでは、「インテンションファール」という名称は使われておらず、「アンスポーツマンライクファウル」として判定されます。レフェリーは以下の基準に基づいて判定を行います。

アンスポーツマンライクファウルの判定基準

ボールへの正当なプレーがない場合 ディフェンスがボールではなく、相手選手の身体を直接狙ってファウルを犯した場合、アンスポーツマンライクファウルと判定されます。例えば、シュートモーションに入った相手の腕を掴んで止める行為などです。

過度な接触や危険なプレー 相手選手を突き飛ばしたり、転倒させるような危険な接触は、アンスポーツマンライクファウルの対象となります。安全性を損なう行為は厳しく罰せられます。

速攻の不当な阻止 相手チームが速攻を仕掛け、ディフェンス側の選手が自チームとゴールの間にいない状況で、後方や側方から相手を掴んだり突っ込んだりする行為は、アンスポーツマンライクファウルとなります。

状況判断の要素 レフェリーは、ファウルが起きた状況を総合的に判断します。試合時間、スコア差、ファウルの位置、選手の動作などを考慮し、故意性や悪質性があると判断した場合にアンスポーツマンライクファウルを宣告します。

審判によるばらつき レフェリーも人間である以上、判定基準には若干のばらつきがあります。各審判が何をファウルとするかは試合を通して理解し、プレーに適応していく必要があります。プロリーグでは、選手と審判が対話するシーンもよく見られ、選手はフィードバックを次のプレーに活かしています。

選手・コーチの対応方法

ファウルトラブルを避け、効果的に試合を運ぶための対応方法を紹介します。

選手の対応方法

ファウル数の自覚 自分が現在何ファウルしているかを常に把握することが重要です。4ファウルの状態では、無理なディフェンスを避け、確実なプレーに徹する必要があります。

クリーンなディフェンス ファウルを恐れすぎると消極的なプレーになりますが、適切なポジショニングと足の動きを意識することで、接触を最小限に抑えながら効果的なディフェンスが可能です。

冷静な判断 試合が白熱すると、感情的になってファウルを犯しやすくなります。常に冷静さを保ち、不必要なファウルを避けることが大切です。

審判とのコミュニケーション プロの選手は、審判との対話を通じて判定基準を理解し、プレースタイルを調整しています。ただし、過度な抗議はテクニカルファウルの対象となるため、敬意を持った対応が必要です。

コーチの対応方法

戦術の調整 主力選手がファウルトラブルに陥った場合、ゾーンディフェンスに切り替えたり、別の選手に役割を分散させたりするなど、柔軟な戦術変更が求められます。

選手の交代タイミング 4ファウルの選手を一時的にベンチに下げ、試合の重要な場面で起用できるよう温存することも戦略の一つです。試合終盤に備えて、選手の起用を計画的に行います。

メンタルサポート ファウルトラブルを抱えた選手は心理的プレッシャーを感じています。コーチは適切な声掛けを行い、選手が自信を持ってプレーできるようサポートします。

試合中の戦略的利用例（注意点）

かつてのインテンションファールは戦略的に利用されていましたが、現代のルールでは慎重な判断が必要です。

戦略的ファウルの利用シーン

試合終盤の時間管理 負けているチームが試合終了間際に、意図的にファウルを犯してクロックを止める戦術は現在も使われています。ただし、フリースローを与えることになるため、相手のフリースロー成功率やスコア差を考慮した慎重な判断が必要です。

フリースローが苦手な選手を狙う 相手チームにフリースローの成功率が低い選手がいる場合、その選手を狙ってファウルを犯す戦術があります。ただし、アンスポーツマンライクファウルと判定されないよう、正当なディフェンスプレーの中で接触する必要があります。

重要な注意点

アンスポーツマンライクファウルのリスク 悪質と判断されるファウルは、フリースロー2本＋ボールの所有権という重いペナルティが科されます。さらに、アンスポーツマンライクファウルを2回犯すと即座に退場となるため、リスクが非常に高くなります。

スポーツマンシップの尊重 故意的なファウルは、バスケットボールのスポーツマンシップに反する行為です。勝利を目指すことは重要ですが、フェアプレーの精神を忘れず、相手への敬意を持ったプレーを心がけることが大切です。

チーム全体への影響 戦略的ファウルが裏目に出ると、チームの雰囲気が悪くなったり、観客からのブーイングを受けたりすることもあります。戦術的な選択は、チーム全体の状況を考慮して行う必要があります。

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よくある疑問・Q&A

インテンションファールとテクニカルファールの違いは？

インテンションファール（現在のアンスポーツマンライクファウル） インテンションファールは、プレー中に故意的・戦略的に相手選手に対して犯すファウルです。主に試合の流れを変えたり、速攻を止めたりする目的で使われます。判定されると、相手チームにフリースロー2本とボールの所有権が与えられます。

テクニカルファール テクニカルファールは、プレーとは関係のない場所で発生するファウルです。具体的には以下のような行為が該当します。

審判への暴言や過度な抗議
相手選手への挑発的な言動や態度
ベンチエリアからの不適切な行動
コート上での非スポーツマン的な行為

テクニカルファールが宣告されると、相手チームにフリースロー1本が与えられ、その後のボールの所有権は状況によって決まります。また、選手やコーチがテクニカルファールを2回犯すと退場となります。

主な違い

インテンションファールはプレー中の身体接触、テクニカルファールは非接触の行為
インテンションファールはフリースロー2本＋ボール所有権、テクニカルファールはフリースロー1本
インテンションファールは戦術的側面があるが、テクニカルファールは完全に避けるべき行為

故意ではない場合はどうなる？

バスケットボールでは、ファウルの故意性の有無によって判定が変わります。

偶発的な接触の場合 プレー中に起きた偶発的な身体接触は、通常のパーソナルファウルとして処理されます。例えば、リバウンド争いで相手の腕に触れてしまった場合や、ディフェンス中に足が絡まってしまった場合などです。これらは故意ではないため、相手チームへのフリースローが与えられますが（シュート動作中の場合）、アンスポーツマンライクファウルにはなりません。

レフェリーの判断基準 レフェリーは以下の要素を総合的に判断してファウルの種類を決定します。