はじめに
不動産売却の流れについてご紹介します。
不動産を売却する際には、手続きや契約書類に関する注意点をしっかり把握しておくことが重要です。
媒介契約の選び方や、重要事項説明、売買契約書のポイントを理解しておくことで、トラブルの回避やスムーズな取引が期待できます。
本記事では、不動産売却の一連の流れとともに、媒介契約や重要事項説明、売買契約書における具体的な注意点について詳しく解説し、失敗しない売却をサポートします。
不動産売買の流れ
購入者側から見た不動産売買の流れは、購入希望の不動産物件を探して下さい!という依頼から始まります。
ここで媒介契約書を作成します。
不動産業者の仲介手数料などの条件が記載されています。
媒介契約書の作成についてはお金は必要ありません。
納得したら記名押印です。認印で OK です。
不動産物件が見つかったら対象となる不動産物件の重要事項説明書の説明を受けます。
理解したら売買契約書の締結になります。
重要事項の説明を受けたら記名押印します。認印で OK です。
手付金を支払って売買契約書を作成します。
現金があれば不動産取引は完了しますが、現金がない場合は銀行の融資の申し込みをします。
OK が出れば借入をして取引をします。
納得して記名押印です。認印で OK です。
媒介契約書・重要事項説明書・売買契約書の注意点
Point 注意点
・媒介契約書
・重要事項説明書
・売買契約書
媒介契約書
媒介契約書とは、不動産物件を購入するための条件などの説明をしています。
欲しい不動産物件の地域や価格・広さなどです。
不動産物件の購入の条件とか仲介手数料などの説明がなされています。
納得したら記名・押印します。押印については実印でなくても大丈夫です。
媒介契約書には「一般媒介契約書」「専任媒介契約書」「専属専任媒介契約書」の3種類があります。
「一般媒介契約書」とは、
複数の不動産会社と媒介契約ができます。契約期間は3ヶ月が一般的です。
不動産会社の仲介なしで販売ができます。
「専任媒介契約書」 とは、
媒介契約は一社しかできません。
依頼人がお客さんを見つけた場合は、専任媒介契約を受けた不動産業者を通さなくても契約することができます。
専任媒介契約を受けた不動産会社には、手数料は入りません。契約期間は3ヶ月です。
販売状況の報告は依頼人に14日に1回以上する必要があります。
不動産流通機構(レインズ)に登録義務があります。
媒介契約を交わしてから7日以内に登録をしなければなりません。
「専属専任媒介契約書」とは、
媒介契約は一社のみです。契約期間は3ヶ月です。
依頼人が直接買主を見つけた場合でも、専属専任媒介契約を交わした不動産会社の仲介が必要になります。
手数料を支払わなければならないということです。
レインズの登録は媒介契約から5日以内に登録する必要があります。
販売状況の報告は7日に1回以上です。
重要事項説明書
専任の宅地建物取引士が購入者に重要事項説明書を説明しなければいけません。不動産物件についての詳細が説明されています。
①登記記録に記録された事項
②法令に基づく制限の概要
③私道に関する負担に関する事項
④飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況
⑤宅地造成または建物建築の工事完了前である時は、完了時における形状・構造など
⑥建物が既存の建物である時は、建物状況調査の概要等
⑦区分所有建物の場合の敷地に関する権利、共用部分に関する規約等の定めなどに関する事項
詳細
①登記記録に記録された事項
登記簿謄本に記載されている権利関係の内容。所有権や住宅ローンの抵当権などです。
②法令に基づく制限の概要
都市計画法や建築基準法などの法令に基づく制限のこと。
③私道に関する負担に関する事項
敷地に面している道路が私道の場合は、位置や権利関係・利用のための負担金などを記載しなければいけません。
④飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況
飲用水や電気・ガスなどがどのように利用できるか?埋設されている位置などを説明する必要があります。
⑤宅地造成または建物建築の工事完了前である時は、完了時における形状・構造など
未完成物件の場合は工事が完了した時における形状や構造などを説明する必要があります。
⑥建物が既存の建物である時は、建物状況調査の概要等
中古住宅の場合は過去1年以内に建物状況調査が行われたかどうかを記載しなければいけません。調査結果も必要です。
⑦区分所有建物の場合の敷地に関する権利、共用部分に関する規約等の定めなどに関する事項
駐車場の利用料・管理費や修繕積立金の額・管理会社の名称や管理形態などを記載する櫃があります。
売買契約書
不動産売買契約書とは、不動産の持ち主から代金を支払って買うことを書類にしたものです。
売買するための条件などが書かれています。
それらの条件を書類にして作成したものが不動産売買契約書になります。
気に入った不動産物件が見つかったら手付金を支払って契約します。
100%現金があれば契約が完了です。引渡しになります。
不動産業者に対する手数料や所有権移転登記に必要なお金をすませば OK です。
現金がない場合は、銀行融資の申し込みをします。
OK が出たら決済と同時に所有権移転登記と抵当権設定・不動産物件の引き渡しが終われば取引が完了です。
売買契約書で確認すること
Point 売買契約書で確認すること
①対象物件の面積や対象物件の範囲(設備・備品など)
②売買代金の確認
③抵当権などの権利関係の抹消について
④公租公課の清算
⑤契約違反による契約解除について
⑥ローン特約について
①対象物件の面積や対象物件の範囲(設備・備品など)
中古住宅の場合は、備品や設備機器・門扉・庭の木などです。
詳細に書く事によってトラブルが無くなります。
②売買代金の確認
ここで大事なことは「手付金」についてです。
不動産売買契約の手付金は「解約手付」とみなされて、買主が手付金を放棄すれば契約は成立しません。
③抵当権などの権利関係の抹消
住宅ローンなどの抵当権が設定されていたら取引するまで(同時)に抹消しなければなりません。
④公租公課の清算
固定資産税は1月1日の登記簿上の所有者にかかります。
清算する起算日は1月1日とする方法と4月1日にする方法があります。
当事者間で決定します。
⑤契約違反による契約解除について
契約違反が売主の場合や買主の場合などです。条件など書いておく必要があります。
⑥ローン特約について
ローン特約というのは例えば銀行融資などで「ローンが組めない場合は手付金は金利はつけないで返却する」などと言う特約をつけることによって手付金は返ってきます。
手付放棄にはなりません。
仲介手数料もローンが組めないなどの理由によって契約が解除された場合は不動産会社は仲介手数料を請求できません。
仲介手数料はあくまでも契約が成立した時に支払うものです。
不動産売買契約の流れ まとめ
今回は、不動産売買契約の流れと媒介契約書・重要事項説明書・売買契約書の注意点を徹底解説! ということを解説しました。
不動産業を開業しようと考えていれば、最低限必要な知識です。
情報のひとつとして覚えておいてください。
不動産取引をする時に、説明しなければいけないことが決まっています。
宅建業法は消費者側の味方です。
分からないことは分かるまで納得できるまで説明を聞く必要があります。
後で後悔しないようにしましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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